インバウンド関連株の投資方針

 新型ウイルスへの恐怖で世界経済にダメージが及ぶ懸念が強まることは、これまでに何度もありました。2002~2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、2014年のエボラウイルス病の感染拡大がその例です。

 ウイルスは容易に変異する単純構造の生物なので、次々と新種ウイルスが現れます。新種ウイルスと人類の闘いは、永遠に終わらないと思います。

 ただし、時間はかかっても、特定のウイルスによる被害拡大は、抑えられるはずです。今回の新型肺炎も、患者の隔離・治療など感染拡大の対策を徹底すれば、被害の拡大はいずれ抑えられるはずです。問題は、事態の終息までどれだけの時間が必要かわからないことです。終息まで数カ月か数年か、現時点で予測不能です。今後の情報を見ながら、考えることになります。

 日本の観光業への被害がどこまで拡大するか、まだ見極めが困難な状況です。インバウンド関連株は年初から大きく下がったものが多く、買い場に入りつつある可能性もあります。ただし、短期的な下値リスクがまだ払拭されない銘柄も多く、投資銘柄の選択には慎重を期する必要があります。

 私は、すぐに投資を開始するならば、JR4社(JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州)が適切と考えています。JRについての投資判断は、以下のレポートに詳しく記載しているので、ご参照ください。

3分でわかる!今日の投資戦略:11月14日 代表的ディフェンシブ株、JR4社。JR東日本に今、注目する理由

 インバウンド消費は、モノ消費からコト消費に重点が移りつつあります。モノ消費で盛り上がったインバウンド関連株は、あまり評価できません。コト消費で恩恵を受ける、JRの方が有望と考えます。