観光立国に逆風。気になるオリンピックへの影響

 一方、韓国からの観光客数が激減しています。かつて、国別で訪日観光客数がトップだったことがありますが、昨年12月には第4位まで低下しました。

 まだ統計は出ていませんが、2020年1月も、外国人観光客数は減少が避けられません。新型肺炎の影響で、中国からの観光客数が減る見込みです。昨年、韓国からの観光客の大幅落ち込みを、中国からの観光客の増加でかなりカバーしていただけに、中国からの観光客減少が予想される1~2月は、インバウンド消費全体に落ち込みが厳しくなる可能性があります。

「観光立国」を目指す日本にとって、厳しいスタートが予想される2020年ですが、新型肺炎の影響による観光客減少は、いつまで続くのでしょうか。遅くとも、東京オリンピックが開催される8月までには、事態が終息していることが望まれますが、事態は予断を許しません。

 新型肺炎の観光業への影響が早期に終息し、東京オリンピックで再び観光需要が盛り上がるというのが、もっとも楽観的なシナリオです。新型肺炎の被害拡大がいつまでも続き、風評被害まで含めて、東京オリンピックでの訪日外国人が想定外に少なくなるというのが、もっとも悲観的なシナリオです。今後、どちらに近いか、事態の推移を見守る必要があります。