中国で感染が確認された新型コロナウイルスが中国国内だけでなく世界中に広がりを見せつつあります。こうした状況を踏まえ、私たち個人投資家はどう動くべきでしょうか?

猛威をふるう新型コロナウイルス

 中国の武漢にて感染が確認された新型コロナウイルス。中国国内のみならず日本をはじめ世界各国でも感染者が確認されるなど、猛威を振るっています。

 専門家の間では、2002~2003年にかけて流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)に匹敵するか、それ以上の拡大が懸念され、最大級の警戒が必要という意見もあるようです。

 この新型コロナウイルスの感染拡大は、当然ながら株式マーケットにも大きな影響を与える可能性があります。個人投資家として誤らずに対応をしていきたいものです。

 そこで今回は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、個人投資家が注意しておくべき点、および筆者がどのように行動するつもりかをお伝えします。

SARSの流行時は日経平均株価が20%下落

 まず、絶対に行ってほしくないのが「将来の決めつけ」です。2つのパターンが想定されます。

 1つは「株価が大きく下がる」決めつけです。一部の専門家・評論家は、SARSの流行時には日経平均株価が20%値下がりしたことから、今回は日経平均株価が2万円割れになる可能性が高い、とコメントしています。

 もう1つは「株価には大きな影響はない」との決めつけです。現時点(1月26日)ではこちらの論調の方が強いように思います。要するに、感染拡大は依然として中国国内にとどまり、世界的なパンデミックの兆候はないため過度な心配は無用、という意見です。

 しかし筆者はこの2つとも危うい考え方だと思っています。なぜなら、将来どうなるかなど現時点で正確に予想することはできないからです。

 もし株価が大きく下がると決めつけて、急いで保有株を売ったものの逆に株価が上昇すれば、利益を取り損ねることになります。

 逆に、株価には大した影響がないと決めつけて、保有株を売らずに持ち続けた結果、株価が大きく下落したならば、多額の損失を被ることになります。