買いの勢いはあまり強くない

 また、下の図3は、上段が日経平均の日足チャート、下段がRSI(相対力指数)です。

■(図3)日経平均(日足)とRSI(2020年1月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先ほど、取引時間中の日経平均が昨年来高値を更新したことを指摘しましたが、下段のRSIに注目すると、RSIの値が切り下がっていて、いわゆる「逆行現象」の形になっています。市場のムードは上値への意識が強いのですが、買いの勢い自体はあまり強くない面があります。よって、この状況が日米の企業業績待ちなのかどうかを確認するのが今週の焦点になりそうです。

 このことは、TOPIX(東証株価指数)の動きを見ても分かります。

■(図4)TOPIXの平均足(日足)とMACD(2020年1月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 TOPIXの平均足は1月8日に陽転していますが、下段のMACDはシグナルを上抜けクロスがまだ実現していないため、トレンド転換を明確に示していません。また線の傾きもMACD・シグナルともに下降気味になっています。今後の国内企業の決算動向を手掛かりに買いの勢いを強められるかがポイントになります。今週は日本電産やディスコなどの注目企業の決算発表が予定されています。

 仮に、これまで相場をけん引してきたハイテク株がさえない値動きになったとしても、バリュー株を買う動きとなれば、日本株全体の株価水準を維持することができるため、確かに買いの勢いは弱まっている面があるものの、大きく相場が崩れることはなさそうです。

 もちろん、相場のムードに水を差す悪材料が出てくる点には注意が必要です。今週は世界の要人が集結するダボス会議が21日(火)から24日(金)にかけて開催されますが、トランプ米大統領が出席する予定です。折しも、米国議会(上院)のトランプ大統領に対する弾劾裁判の冒頭陳述が21日(火)に行われ、審理が開始されるタイミングでもありますので、同氏の発言には気を付けておいた方が良さそうです。