「動かない」なら強い忍耐力が必要

 (3)特に何も動かずどっしりと構える、株価の乱高下に何も動じず動かないという人もいます。これは長期投資を志向されている方に多いです。

 長期的に経済成長が続くと仮定したならば、それに連動して株価も上昇するはず、という考えがおそらく根底にあると思われます。

 そうであれば、途中で何度も訪れる株価の乱高下が起きてもいずれは上昇するはずだから、変にドタバタして余計な損失を被るよりも、何もせずじっと株を持ち続けた方がよい、という考え方です。

 確かにブラックマンデーの急落が起きてもその後は回復しましたし、リーマン・ショックの下落前の株価水準よりはるかに株価が上昇している銘柄も数多くあります。

 しかし株を持ち続けると、時に資産が2分の1、3分の1、ひどいときにはそれ以上に下落することもあります。それに耐えうることができる忍耐力が必要です。資産が3分の1になってから慌てて投げ売りするようでは元も子もなくなってしまいます。

 さらには、今後も今までと同じように、株を持ち続けたら長期的には上昇する、という保証はありません。

 現に、バブル崩壊から30年以上が経過しましたが、日経平均株価自体がバブルの高値よりはるかに下に位置していることは忘れてはいけません。

 個人的には、株価が大きく値下がりするのを我慢してじっと耐えるよりは、下落の初期段階で一度売却してしまった方が、精神的にもその後の投資がやりやすいのではないかと思います。

株価のトレンドに従って行動すれば「大負け」はない

 最後の4)個別銘柄ごとの株価のトレンドに従って行動する

 が、筆者が実践している手法です。株価が乱高下しようがしまいが関係なく、個別銘柄ごとに株価のトレンドに従って売買するというものです。

 例えば今回のケースでいえば、持ち株のうち6日の下落により25日移動平均線を明確に割り込んで下降トレンドになったものは売却しましたが、25日移動平均線を超えたままの銘柄は保有を続けました。8日の下落の時も同様です。

 売却した銘柄については、その後再度25日移動平均線を超えれば買い直しを検討します。

 そして、売買タイミングを逸して保有できていない銘柄のうち、6日や8日の下落時に、上昇トレンドをキープしつつも株価が値下がりしているものについては新規買いを実行しました。

 これは何をやっているかといえば、持ち株のうち強い銘柄を残し、弱い銘柄を売却しているのです。

 これにより、9日の反発の時点で上昇トレンド継続の銘柄は売らずに持ち続けているため、ここから大きな上昇になっても、しっかりと上昇の恩恵を受けることができます。

 逆に、ここからズルズルと株価の下落が続くような場合、移動平均線を割り込む弱い銘柄から順々に売却していくことになるので、株を持ち続けた結果とてつもない含み損を抱えて手も足も出なくなる…ということは避けられるのです。