株価の動きに翻弄されてはうまくいかない

 まず1)大幅安になると慌てて売ってしまい大幅高で慌てて買い直すことを繰り返すのケースです。

 これは完全に、株価の動きに翻弄(ほんろう)されてしまっていると言ってよいでしょう。

 株価が大きく下がるのを見て、「これは大変だ!」と慌てて売却し、今度は大きく反発すると「やっぱり上昇するんだ!!」と慌てて買い戻す…。 

 乱高下している間にこれを繰り返すと、結局は損失が積み重なってしまいます。

 また、株価の大幅下落で売却した後、反発しても買い戻さない人も多いようです。そうすると、株価が乱高下を終えて大きく上昇に転じたような場合、株を保有していないので利益を得ることができなくなってしまいます。

 (1)のケースの最大の問題点は、あらかじめ「こうなったら株を買い、こうなったら株を売る」という明確なルールをご自身で持ち合わせていないことにあります。心当たりのある方は、早急に売買のルールを決めるようにしてください。

大幅安で買い向かっても大丈夫?

 次に2)大幅安になったときに買い向かうケースです。

 今回でいえば、1月6日や8日の下落の際に、株を買うという手法です。中級者以上の方は、こうした行動を取った方も結構いたようです。

 確かに今回は6日や8日に下落したときに株を買えば、その後の上昇により、安く株を買えたことになります。

 しかしそれは「結果論」に過ぎず、かなりリスクの高い手法となります。

 今回は結果的に反発しましたから良かったですが、もし6日や8日に買って、さらに株価が大きく下がってしまったらどうするのでしょうか? 最終的に含み損を抱えた塩漬け株を作ってしまうことになります。個人投資家として、最大の失敗は塩漬け株を作ることであることは忘れないようにしてください。

 アベノミクス相場では、大きく下がったら買い向かうことで、結果として良い成果につながっているのも確かです。しかし、長期上昇相場が終焉(しゅうえん)となれば、大きく下がったら買い向かうと、さらに株価が大きく値下がりして手も足も出なくなります。

 もし大幅下落で買い向かうとしたなら、さらに株価が下がったらどうするのかを事前に決めたうえで実行し、損失が大きく膨らまないようにしてください。