中国関連株に改めて注目

 日本には、中国と経済的つながりが大きい「中国関連株」がたくさんあります。「中国関連株」には、主に、以下の3種類があります。

【1】    中国関連・設備投資関連株
安川電機(6506)ファナック(6954)小松製作所(6301)など。貿易戦争の影響で、中国で設備投資が減少した影響を大きく受けています。ただし、中国景気が底入れすれば、業績は回復に向かう期待があります。

【2】    中国関連・消費関連株
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(9983)資生堂(4911)花王(4452)など。中国の消費は安定的に高成長が続いています。中国景気の浮き沈みにかかわらず、中国関連・消費関連株は好調が続いています。

【3】    素材・市況セクターの株
化学セクター、鉄鋼セクター、海運セクターなど。中国景気が好調だと、化学・鉄鋼・海運などの国際市況が上昇するので、その恩恵を受けます。中国向けの売り上げが大きい会社は、文字通り「中国関連株」です。ただし、必ずしも中国向けの売り上げが大きくなくとも、間接的に市況上昇の恩恵を受けるので、「中国関連株」と言われることもあります。

中国景気の持ち直しで注目されるのは、【1】中国関連・設備投資関連株と、【3】素材・市況セクターの株です。実際、中国関連・設備投資関連株には、先行きの業績回復期待から、昨年末より株価が大きく上昇しているものもあります。

  一方、素材・市況セクターの株は、中国景気の悪化・市況下落を織り込んで株価が下がったきり、まだ安値圏にある銘柄が多いです。中国景気の回復、原油市況の上昇がもっと鮮明にならないと、買われることはないかもしれません。

 これに対し、【2】中国関連・消費関連株は、まったく値動きが異なります。これまで世界景気の影響を受けにくいディフェンシブな安定成長株として買われてきました。中国景気が悪化しても回復しても、中国の消費は景気に関係なく安定的に拡大しています。中国・消費関連株の業績も安定的に好調でした。したがって、中国景気が回復するとしても、その恩恵から買われることはないと考えられます。