今週の見通し
先週は、年始に急激に高まった中東情勢の緊迫感が、やや低下しました。
低下要因には
(1)トランプ大統領が状況の悪化を望んでいないことを明言したこと
(2)先鋭化したイラン国民の感情の矛先が、司令官を殺害した米国から、ウクライナの航空機爆撃を隠蔽しようとしたとしたイラン指導部に移ったこと
(3)日本の安倍総理大臣が中東諸国を歴訪しており、中東地域の情勢の緩和に向けた働きかけをしていること
などが挙げられます。
中東情勢は、まだまだ予断を許しませんが、今のところは、緊迫感が高まった年始のような状況ではないと言えそうです。このような状況の中、今週の注目点のメインを考えた時、やはり、“米中貿易問題”が想起されます。
今週1月15日(水)に、米中両国が、一昨年の春以降、激化させてきた米中貿易戦争を鎮静化させるべく、 “第一弾の合意”に署名する予定であると報じられています。
引き上げ合戦を行ってきた関税を部分的に引き下げる、中国が行ってきた米国産農産物の不買について、その規模を縮小することなどが盛り込まれています。
中国政府が行っている同国企業への多額の補助金を廃止することは盛り込まれていませんが、足元、WTO(世界貿易機関)が中国政府の補助金を問題視しつつあるため、全体的には、米中貿易戦争は鎮静化する方向に向かっていると言えます。
まずは今週、第一弾の合意が予定通り署名されるかに注目が集まります。無事署名されれば、これまで高まっていた世界規模の懸念が後退する期待が生じ、先週と同様、主要国の株式指数が上昇、株価指数の上昇を受け、主に工業用の用途に用いられる原油[商品]やパラジウム[商品]などの反発や上昇が目立つ可能があります。
その他、今週発表される米中関連の経済指標には、1月13日(月)に米国の12月の財政収支、14日(火)に中国の12月の貿易収支、15日(水)に米国の地区連銀経済報告、16日(木)に米国の12月の小売売上高、17日(金)に中国の12月の小売売上高と鉱工業生産、10-12月期四半期国内総生産(GDP)、米国の12月の鉱工業生産の発表があり、注目です。
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