2020年の株式市場は波乱のスタートに

 大発会で日経平均は一時500円を超える下げとなるなど、2020年の株式市場は波乱のスタートになりました。米軍がイラクでイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害し、中東情勢の緊迫化への懸念が強まったことが背景になります。ただ、地政学リスクの台頭による株価調整はこれまでも限定的な傾向が強く、今回も、再選の可能性が現状では高いトランプ米大統領が戦争のような選択肢をとるとは考えにくいと思われます。

 月末には英国のEU(欧州連合)離脱期限を迎えます。EU離脱はほぼ確実であり、今後の焦点となるのは、2020年12月末期限の「移行期間」内にどのような貿易協定を結べるかとなります。「移行期間」内に新たな貿易協定を合意することは難しいとの見方も多く、結果的に「合意なき離脱」に近い状況となるリスクもあります。「移行期間」の延長を封じる離脱協定案などが可決された場合など、再度、英国情勢が懸念視される余地は残るでしょう。

 1月に最も注目されるのは、10-12月期の決算発表となりそうです。

 中でも、国内に先行して発表される海外テクノロジー企業の決算が相場の行方を左右しそうです。米中対立の最悪期を通過した現環境下では、積極投資などを打ち出す企業も増えるとみられ、半導体関連株などにとってフォローとなる可能性が高いとみます。

 総じて、景気敏感株を中心に堅調な動きが続くと予想されます。なお、地政学リスクが長期化するとなれば、サイバーテロへの対応も含め、ネットセキュリティ関連なども注目されてきそうです。