売買代金ランキング(5銘柄)

1 ワークマン(7564・ジャスダック)

 ついに1万円の大台を突破! 年間上昇率は+179%で、流動性でも時価総額でも新興株市場のトップに君臨する存在に変貌しました。2日発表した11月の既存店売上高も+24.1%と高い伸び率を維持。気温の低下で、防寒商品が好調だったようです。

 ガテン系御用達だったワークマンも、“ワークマン女子”という言葉が生まれるように一般層にターゲットが拡大。高機能・低価格なPB商品の開発とワークマンプラスの店舗数拡大で2020年も成長が期待されています。既存店売上の2桁増がどこまで続くか? 増収モメンタムを屋台骨とした株価モメンタムだけに、「何月分の既存店売上で伸び率が鈍化するか」これが焦点です。

2 サンバイオ(4592・東証マザーズ)

 13日の第3四半期決算発表のタイミングで、大日本住友製薬と北米での慢性期脳梗塞を対象とした再生細胞薬「SB623」の共同開発及びライセンス契約を解消すると発表。フェーズ2b試験の失敗以降、両社で今後の方針を協議していたようですが契約は解消となりました。サンバイオとしては今後も同薬の開発を継続する方針を示していますが、今後は開発協力金やマイルストンが入らなくなります。次の提携先が見つかるまで短期業績に与えるネガティブ影響は必至。失望売り殺到で、発表の3営業日後の18日、約4割下落した水準で売買が成立しました。

 なお、その後1度だけ大きなリバウンドをしたタイミングがあります(25日の8.9%高)。これは国内大手証券が「株価急落は過剰反応」として投資判断を「2」から「1」へ引き上げたことが理由でした。ただ、このレポートを見る限り、2024年1月期まで大幅赤字が続くという予想になっています。ここから4年間、それに個人投資家が我慢し続けられるのか? が疑問です。また、契約解消した大日本住友製薬が保有するサンバイオ株を売却するリスクも当然考えておく必要がありそうです。

3 ジーエヌアイ(2160・東証マザーズ)

 11月末に今2019年12月期業績予想の上方修正を発表、医薬品や医薬機器事業の収益性向上で営業利益予想を11.6億円から13.6億円へ増額しました。これをトリガーに年末に向け大相場に発展、時価総額も1,000億円を再び突破しました。

 中国で特発性肺線維症治療薬の売上が堅調なほか、安定した利益率が見込める子会社も有しています。ハイリスク/ハイリターンの創薬ベンチャーに比べると、リスク度合いが小さいバイオ株といった位置付けで人気が定着しているようです。

4 247(7074・東証マザーズ)

 個別指導型ジムを展開する直近IPO株で、個別ジムとしてはRIZAPに次ぐ業界2位。上場したのは11月21日ですが、それからわずか1カ月程度の20日、まさかの大幅下方修正を発表しました。上場期でもある2019年11月期の売上高予想を77.9億円から76.9億円に、純利益を8.2億円から5.8億円へ大幅減額。11月の無料カウンセリング申込件数が計画比で大幅に減ったこと、新規採用人員の労務費の増加などを理由に書いていました。11月21日の上場直前に把握できていなかったんでしょうか…。

 公開価格は3,420円で、この時点の予想PERは約18倍。当初の純利益8.2億円予想をベースに、類似会社批准方式で公開価格を決めたはずです。その8.2億円が誤りだったとすれば、公開価格3,420円での資金調達は投資家を欺く過剰価格といえます。上場ゴールという表現がありますが、投資家からは“上場詐欺”との表現も聞かれました。そう言われても、反論しようがないと思います。

5 ニューフレア(6256・ジャスダック)

 TOB合戦の激化に期待して売買が膨らんだ銘柄でした。そもそもは11月に、東芝の再編として、子会社東芝デバイス&ストレージが東芝上場子会社のニューフレアをTOBすると発表したことがはじまり。1株当たり1万1,900円の買付け価格で取得して、完全子会社化する予定でした。これにはニューフレアも賛同の意見を表明。

 ここに現れたのがHOYAでした。1万1,900円より高い1万2,900円の買付け価格でのTOBを13日に表明。価格吊り上げ合戦への思惑で、市場では1万3,670円まで上昇する場面も作りました。ただ、これも20日に東芝会長による「HOYAに対して株売却はありえない」発言が報じられたことで鎮火。2020年はこの手のTOBなど買収・合併を利用して収益機会を探るヘッジファンドや玄人個人投資家が多くなりそうですね。