この動きに株価材料を組み合わせると、2日(木)は米中協議のいわゆる「第1段階合意」の署名が1月15日に行われると米国側が発表したことによる米中関係の改善期待と、中国人民銀行が預金準備率の引き下げを発表し、中国景気の持ち直し期待が株価を押し上げました。翌3日(金)は、イラクの空港でイラン関係の要人が米国の空爆で死亡したことで地政学的リスクが高まったことや、米国の経済指標(12月のISM製造業景況感指数)の結果がさえないものとなったことが株価を下落させました。

 とはいえ、2日(木)・3日(金)のローソク足がともに陽線で売りが一巡した後に買いが入っていたことがうかがえる他、株価自体も5日移動平均線を維持しているため、値動きが荒っぽかった割には相場のムードが崩れた印象にはなっていません。下段に注目してもMACDがシグナルより上をキープしています。

 さらに、ボリンジャーバンドで見ても一応「バンドウォーク」が継続中ですので、上昇基調は維持されています。(下の図2)

■(図2)NYダウ(日足)のボリンジャーバンド(2020年1月3日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 しかし、合意の署名については今のところ中国側からの発表がない他、イランによる米国への報復も警戒されるため、株価材料の不透明要素が強まっていることには注意が必要です。