先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し

 先述のとおり、先週はジャンルを問わず、年末ムードが広がり、多くの銘柄が小動きとなりました。

 ポンド/ドル(22銘柄の中で最も大きな変動率)が下落したのは、EU(欧州連合)離脱の議論が進展していることをきっかけに、スコットランドが英国から独立する機運が高まり、不安が強まったことが背景にあると考えられます。

 議論の方向性次第では、スコットランドの英国独立が現実のものとなり、やがて英国が解体される、との指摘があるほどですが、このような大きな不安をかき立てる指摘があるにも関わらず、ポンド/ドルの下落は小幅なものでした。

 このことは、市場では年末ムードが支配的になっていることを示唆しているといえます。仮に、年末ムードがなければ(今が年末でなければ)、たくさんの投資家が、大きな不安を感じながら市場で売買することになるため、ポンド/ドルは大きく下落した可能性があります。

 今週は、25日はクリスマスで欧米市場などが26日はボクシングデーで欧州市場を中心に休場となり、先週よりも年末ムードが強くなると考えられます。さらには、主要国での経済指標の発表が少ないため、先週にも増して、全体的に、売買が少なくなるとみられます。

 売買が少なくなれば、価格の変動率はさらに小さくなる可能性があります。

 ただし、短期的に大量の注文が出る、あるいは、米中貿易戦争、英国のEU離脱問題、香港情勢、中東情勢など、市場への影響力が比較的大きい材料において、状況が急変すれば、(売買は少なかったとしても)、価格の変動率は大きくなる可能性があります。

今週は、幅広い市場で年末ムードが強まるとみられること、そして、経済指標の公表が少ないことに留意をしながら、主要な変動要因において事態が急変しないかに注意を払うことが必要です。

 

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