先週1週間の値動きを確認し、今週1週間の値動きを考える参考材料を探しましょう。

年末ムード 全体的に小動き

 先週は、多くの銘柄が小動きとなりました。全体が小動きの中で、最も変動が大きかった銘柄は、ポンド/ドル[通貨]で、その変動率は2.5%でした(価格の方向性は下落)。

 過去数週間、それぞれの週で最も変動が大きかった銘柄とその変動率を確認すると、先々週は、プラチナ [商品]で3.4%(価格の方向性は上昇)、ビットコイン[暗号]も3.4%(同下落)、その前の週は原油[商品]で6.5%(同上昇)、そしてその前の週は天然ガス[商品]で15.3%(同下落)でした。

 このように振り返ってみると、変動率が最も大きくて2.5%だった先週は、いかに全体的に小動きだったかがわかります。ジャンルを問わず、年末ムードで売買を手控える動きが、見られたと考えられます。

図:ジャンル横断・騰落率 12月16日(月)から12月20日(金)

※ビットコイン[暗号資産]の価格は楽天ウォレットの円建て価格を参照します。

※楽天証券のマーケットスピードⅡのデータより楽天証券作成
※騰落率は当該週の週足の始値と終値を参照して算出。(終値-始値)/始値
※ビットコインは楽天ウォレットのビットコイン/円を参照。日本時間の月曜日午前6時と土曜日午前6時を比較
※プラチナはCME(シカゴマーカンタイル取引所)の先物(中心限月)価格を参照。

先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し

 先述のとおり、先週はジャンルを問わず、年末ムードが広がり、多くの銘柄が小動きとなりました。

 ポンド/ドル(22銘柄の中で最も大きな変動率)が下落したのは、EU(欧州連合)離脱の議論が進展していることをきっかけに、スコットランドが英国から独立する機運が高まり、不安が強まったことが背景にあると考えられます。

 議論の方向性次第では、スコットランドの英国独立が現実のものとなり、やがて英国が解体される、との指摘があるほどですが、このような大きな不安をかき立てる指摘があるにも関わらず、ポンド/ドルの下落は小幅なものでした。

 このことは、市場では年末ムードが支配的になっていることを示唆しているといえます。仮に、年末ムードがなければ(今が年末でなければ)、たくさんの投資家が、大きな不安を感じながら市場で売買することになるため、ポンド/ドルは大きく下落した可能性があります。

 今週は、25日はクリスマスで欧米市場などが26日はボクシングデーで欧州市場を中心に休場となり、先週よりも年末ムードが強くなると考えられます。さらには、主要国での経済指標の発表が少ないため、先週にも増して、全体的に、売買が少なくなるとみられます。

 売買が少なくなれば、価格の変動率はさらに小さくなる可能性があります。

 ただし、短期的に大量の注文が出る、あるいは、米中貿易戦争、英国のEU離脱問題、香港情勢、中東情勢など、市場への影響力が比較的大きい材料において、状況が急変すれば、(売買は少なかったとしても)、価格の変動率は大きくなる可能性があります。

今週は、幅広い市場で年末ムードが強まるとみられること、そして、経済指標の公表が少ないことに留意をしながら、主要な変動要因において事態が急変しないかに注意を払うことが必要です。

 

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