米中問題が解消の方向に。マーケットは9月から上昇

 最大の懸念材料が解消の方向に動き始めました。

 米中両政府が「第1段階」の通商合意に至り、米政府は12月15日に予定していた対中追加関税の発動を見送り、引き換えに中国政府は米農産物の購入を拡大していくと発表しています。

 加えて両国とも「第2段階」の合意に向けた交渉を直ちに開始すると表明しています。これにより米中対立を発端とする“不確実性”は格段に軽減されることになります。

 動きがあれば、(これまでと同様)主にトランプ米大統領のツイートにより知ることになると思われます。

 注目すべきは、これらの進展のさらに前、米中通商協議の行方に警戒する声が高まる中で株式市場が一段高に向かったことです。特に「段階的な交渉」が明らかになり始めた9月以降の上昇には目を見張るものがあります。

 このマーケットの動きからは「米中貿易摩擦はさらに解消していく」と投資家が見ていることが分かります。マーケットは特定の個人や団体でなく、すべての投資家の考えを反映して動いています。

 特に政治に関することは、出来事の直後の動きがどうであったかを今後のよりどころとすることができるでしょう。たった一日の動きだけではおぼつかないものの、数カ月の期間の動きであれば信用できるものと言えそうです。現在の米中両国の姿勢は明らかに株式市場に好感されています。