2020年はまずリスクオン優勢…だが

 2020年の相場はリスクオン・スタートになりそうです。米中合意、FRBの緩和姿勢、ブレグジットへの前進など好材料が出そろったことでの調整はありえます。しかし2~3月辺りに米製造業の指標の好転と米大統領選挙戦の高揚感が重なれば、株式相場も堅調さを増すでしょう。

 リスクオン相場が現実となれば、留意すべきはその持続性です。リスク評価を一歩前に進めましょう。

 第1は、FRBの金利見通しのトーンがタカ派傾斜することです。

 第2はこれに関連して、米中でインフレ率がじわりと上がること。金融緩和の持続が危ぶまれると、市場の地合いは一変するでしょう。

 第3は、予想外に米経済指標の改善が見られず、景況感が自然とダレる展開です。第4として、中国景気の予想外の悪化も挙げておきます。

 2020年中のこれらリスクが低下したことで、堅調な景気・株価シナリオが補強されました。ただし、同年後半には、明らかなリスクが浮上します。米大統領選挙戦の過程で米中摩擦をいったんリスク要因のリストから外せても、米大統領選挙後への懸念は次第に強まるでしょう。企業投資に慎重になれば、景気・株価が次第に重くなると思われます。