上昇後の一服で2万2,000円割れがあったとして、そこで拾える?

 また、中期的なトレンドについても見ていきたいと思います。下の図3は日経平均(週足)チャートですが、26週移動平均線を中心としたエンベロープです。

■(図3)日経平均(週足)とエンベロープ(26週移動平均線を基準)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 足元の株価水準はエンベロープのプラス6%の水準を超えているところに位置しています。つまり、半年間の値動きの中心線である26週移動平均線から見ると、やや過熱気味と考えることができます。こうした過熱感が維持されているということは、足元の株式市場が「少なくとも米中の第1段階の合意は成立するだろう」という前提で動いている可能性があります。

 しかし、だからといって「すぐに株価の修正が訪れる」というわけではありません。実際に、過去の状況を見ると、上向きのエンベロープの線に沿って株価が上値を追っていく場面が多くなっています。

 結局は15日(日)に発動される対中制裁関税第4弾の2回目の発動が回避されるのか、そして、前提となる米中の合意が成立し、制裁関税第1~3弾の領域まで踏み込めるのかどうかによります。

 いずれにせよ注意しておきたいのは、株価の上昇が終わって下落に転じた時です。上の図3ではマイナス6%を超えるところまで下落しているケースが多いことが分かります。ちなみに、先週末時点でのマイナス6%は2万1,879円です。目先に発生するかもしれないトレンドよりも、株価が下落した際の「押し目を拾う難しさ」が今後のポイントになるのかもしれません。