やるからには目標は高く持とう

 株式投資のみならず、何か新しいことを始めようとするときは、最初の一歩を踏み出す勇気が必要です。そして、株式投資では、この最初の一歩のハードルが結構高いようなのです。せっかく意を決して株式投資の世界に足を踏み入れたわけですから、目標は高く持つべきです。筆者は1つの目標として、「1億円」を設定することをお勧めします。

 今回のコラムタイトルを「「億」への細道」としたのはここに理由があります。確かに細い道ではありますが、そこへ至る道は確かに存在しているのです。

 もちろん、株式投資を始めて間もないころは、この目標は全く非現実的なものに感じるでしょう。しかし、高く目標を持って、それを実現するために勉強し、努力することが株式投資での成功につながることは間違いありません。

 そして、株式投資を何年も続け、資産がある程度増えてくると、この目標が決して夢物語ではないことが次第に実感できるようになるはずです。

 普通に仕事をしているだけでは1億円を貯めることは容易ではありません。でも、株式投資は、誰もが大きく資産を増やすことができる可能性がある、非常に素晴らしいツールなのです。

お金の出入りは「一方通行」にする

 目標を1億円に設定したところで、次はその目標を実現できる可能性をより高めていくための具体的な仕組みを構築します。

 その1つが、証券会社へ入金したお金は、基本的には引き出さないということです。つまり、お金の出入りを銀行から証券会社への「一方通行」とするのです。

 株式投資をするにあたり、始めから1,000万円といったまとまった資金が必要なわけではありません。筆者もスタート時の資金は30万円でした。10万円でも一向に構いませんが、要はこの小さい資金をいかにして効率的に増やしていくかが重要なのです。

「複利効果」というものは皆さんも聞いたことがあると思います。投資により増えた元本を再度投資に回すことで、より短期間で大きな資金の増加が期待できるというものです。

 例えば、100万円を株式投資にあて、1年あたりで資金を10%増加させることができる場合を考えてみましょう。

 この場合、1年目の利益は100万円×10%=10万円です。この利益を毎年引き出していたとすると、20年間トータルの利益は10万円×20年=200万円です。20年で100万円が300万円になった計算です。

 でも、毎年の利益を引き出さずに、再度株式投資にあてると、100万円を672万円にまで増やすことができるのです。これが「複利効果」です。

 もし、年間の利益が10%でなく15%なら、前者が400万円となる一方、後者では1,636万円と、さらにその差が大きくなります。

 これに加え、新たにお金ができたときに投資元本を追加していけば、さらに加速度的に資産を増やすことができ、1億円も十分射程圏内になります。

 給与収入はそのまま銀行に預けておくよりも、無理のない範囲で証券会社の口座に移し替え、投資元本をできるだけ増やしていていくことをお勧めします。複利効果を最大限享受するようにしましょう。