今週は日経平均の値持ちの良さが焦点に

 また、前回紹介した平均足とMACDの組み合わせを見ると、前週に平均足の陰転とMACDのクロスによって短期的なトレンド転換のサインが出現しましたが、先週も下落傾向が続いていたことが分かります(下の図2)。

■(図2)日経平均(日足)の平均足とMACDの動き(2019年11月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 もっとも、この平均足とMACDの組み合わせを週足チャートで見てみると、まだ上昇トレンドが維持されているため、「相場のムードが一気に弱気に傾いた」というわけではなさそうです(下の図3)。

■(図3)日経平均(週足)の平均足とMACDの動き(2019年11月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 ただし、図3にもあるように先週の平均足の形が十字足となっています。より細かく見ていくと、始値が2万3,137円、終値が2万3,141円で微妙に陽線です。

 したがって、今週の平均足の始値は2万3,139円となり、今週の値動きの平均がこの値段を維持できないと、平均足が陰転してしまうことになります。今週は日経平均の値持ちの良さが焦点になりそうです。

 11月最終週となる今週は、週末の「ブラック・フライデー」から始まる年末商戦への期待や、配当金の再投資などの需給改善などもあり、比較的上昇しやすいとされています。さらに、先週の株価下落によって過熱感が後退したこと、11月最終週で株価が下落したのは2000年以降で1度だけというアノマリーもあり、米中関係の動向が水を差さない限り、どちらかと言えば相場は上方向を目指しやすいというのがメインシナリオになります。