「勝負」のタイミングを間違えない

 しかし、レバレッジを効かせた信用取引は当然失敗したときの損失も現物取引の場合より大きくなります。そのため、いつでも信用取引で勝負、というわけにはいきません。信用取引を使って勝負した場合に成功する可能性が高い状況、つまり中長期的な上昇相場で実行すべきなのです。

 例えば2004~2005年にかけての上昇相場や、2012年終わり~2013年前半のアベノミクス相場初期では、信用取引を使ってたった1年で投資資金を10倍、20倍にする個人投資家が続出しました。

 10倍、20倍まではいかなくとも、この間に投資資金を2倍、3倍にすることは比較的容易でした。なぜなら、この間は持ち株のほぼすべてが大きく上昇していったのですから。

 しかし、信用取引を使って大勝負できるほどの中長期的な上昇相場はそう頻繁には訪れません。こうした中、資産を大きく増やそうと大勝負をしても、逆に投資資金の全てを失うことになりかねません。

 マラソン選手はここぞというタイミングで勝負を仕掛けます。それまでは虎視眈々と勝負に打って出るチャンスをうかがっているのです。決してむやみやたらと勝負を仕掛けたりはしません。

 株式投資も同じです。勝負してよいタイミングとそうでないタイミングがあるのです。大勝負は中長期的な上昇トレンドにあるとき、個別銘柄の大部分が上昇トレンドにあるときのような、勝算の高い時期に行うようにしましょう。