警戒しておくべき国内の動き

 さらに、国内でも気になる動きがあります。下の図4は、週足の日経平均と、日経平均ダブルインバース型ETF(1357)の信用残の推移です。

■(図4)日経平均(週足)と日経平均ダブルインバース型ETF(1357)の信用残の推移(2019年10月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 日経平均ダブルインバース型ETF(1357)は、日経平均に連動して価格が変動するETFで、「日経平均が下落すると価格が上昇する」、「日経平均の値動きに対する連動性の比率が2倍になっている」という特徴があります。

 つまり、「日経平均が今後下落する」と見込んだ時に買って、その見込み通りとなれば利益が出るタイプのETFになります。

 図4を見ても分かるように、日経平均ダブルインバース型ETFの信用買い残がある程度積み上った後に日経平均が下落に転じることが多い傾向があるのですが、10月18日時点での買い残高が6,500万口まで積み上っていて、過去最大規模になっています。

 ここ最近の日経平均の値動きの大きさに比べると、信用買い残の増え方が異常とも言えるペースになっているだけに、一応警戒しておく必要がありそうです。