2万3,000円まで上昇余地あり。決算とイベントでどうなる?

 そこで、週足チャートで中長期的なトレンドの状況も確認してみます。

■(図3)日経平均(週足)の線形回帰トレンド(2019年10月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3は2016年6月を起点とした線形回帰トレンドです。5本の線全体は右肩上がりになっていて上昇トレンドが継続していますが、足元の株価は8月の弱気ゾーンから反発し、中心線に回復しつつあるところに位置しています。

 最近まで年初来高値をつけていた4月下旬の時は、この中心線辺りまで株価が上昇した後に株価の調整局面を迎えていますし、足元の中心線の株価水準はちょうど2万3,000円辺りになりますので達成感が出やすく、このまま上抜けしていくのか、それともひとまず売りが出るのかが注目されます。

 そのため、今週も上昇が続いた場合には2万3,000円までの余地がありそうですが、そこが「到達点」なのか「通過点」なのかが試されることになりそうです。

 また、冒頭でも触れた通り、日経平均は連日で年初来高値を更新してきましたが、東証1部の売買代金自体は2兆円に届かなかった日もあり、薄商いによる「閑散に売りなし」と言える状況でした。引き続き今週も日米の企業決算が相次ぐ他、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀会合なども控えていますので、イベントをきっかけに売買が盛り上がれるかも注目されます。

 とりわけFOMCについては利下げが行われるとの見通しが大勢を占めていますが、米国株市場を見てみると、S&P500などの株価指数が再び最高値圏にあるため、予想通り利下げが行われても次回以降のFOMCで打ち止めになるのではという受け止め方をされれば、下落に転じる可能性もサブシナリオとして用意しておく必要があります。