先週の結果

米中閣僚級協議の合意への後退や期待などの懸念で2万1,300~2万1,800円の中のもみ合い

 先週の週前半は米中協議が後退する要因が出て米株式は大幅下落し、それに円高の動きとなって日経平均も2万1,300円台まで下落しました。しかし、週後半は米中協議への期待が高まり、円安進行から先物主導で上げ幅を拡大し、2万1,800円水準まで上昇しました。

 週間を通しては2万1,300~2万1,800円の500円幅のレンジのもみ合いとなりました。思ったより下値が堅かったのは、週足チャートで2万1,300円近辺の13週移動平均線、26週移動平均線が横たわっているため、下値ゾーンとして意識されたためと思われます。

10月7日(月):前週末の9月米雇用統計の強弱入り交じった結果を受けて、過度な景気後退懸念が和らぎ、NYダウは+372ドルに。これにより日経平均も、+35円の2万1,445円で寄り付き、一時+65円の2万1,475円まで上昇すると、その後、下げに転じ、▲81円の2万1,328円に。終値はさらに▲34円の2万1,375円と反落しました。米株式が高かったにもかかわらずマイナスに転じたのは米主要経済指標が悪化し、追加利下げ期待が高まって1ドル=106円台の円高だったためです。

8日(火):7日の米株式は反落したものの、為替が1ドル=107円台半ばの円安進行となったことで、日経平均は+119円の2万1,494円で寄り付き、その後、中国株高と米利下げ期待から、後場には+253円の2万1,629円まで上昇。終値は+212円の2万1,587円で引けました。この日は高値圏で動きが安定していましたが、円安を主たる材料に買われ、需給面でのショートカバー(買い戻し)が継続。引け後の米国では、トランプ米政権が少数民族迫害などを理由に中国企業に対して新たな禁輸措置と、政府関係者に対するビザの発給制限を発表したことで、米中通商協議への期待が後退し、NYダウは▲313ドルの2万6,164ドルとなりました。

9日(水):日本市場は、米株安を嫌気して▲227円の2万1,359円で寄り付き、ここを安値に下げ幅を縮小する動きとなり、後場には日銀のETF(上場投資信託)買い期待が支えとなって、終値は▲131円の2万1,456円の反落となりました。

10日(木):9日の米国市場で「さらなる対中追加関税を課さないことを条件に、中国が米国との暫定合意の用意がある」というニュースをブルームバーグが流したことで、NYダウは+181ドルの2万6,346ドルに。しかし、香港紙が「米中通商協議で主要問題に進展はない」と報じたことで、日経平均は▲0.1円の2万1,456円のスタートとなりました。

 ところが、この日は為替が1ドル=107.50円台の円安方向にあり、午前11時前に先物にまとまった買いが入ると、一時+145円の2万1,601円まで上昇。その後は後場になると手掛かり材料に欠け、日経225に連動する銘柄中心に買われ、+95円の2万1,551円と反発して引けました。日経平均は100円近い上昇なのに下落銘柄は1,458、上昇銘柄595という結果になりました。つまり指数に連動する銘柄中心の動きだったといえます。引け後の米国市場は、トランプ大統領が「中国は合意を望んでいる」「中国の劉鶴(りゅうかく)副首相と会う」とツイートしたことで、NYダウは一時+257ドルまで上昇。終値は+150ドルの2万6,496ドルとなりました。この日は10年債利回りが大きく上昇し、銀行株が買われ、ドルも買われて一時、1ドル=108.01円をつけました。 

11日(金):日本市場は、米株高、円安進行を受けて、+197円の2万1,749円で寄り付き、米中協議進展期待の元に、前場は+209円の2万1,761円に。後場になると時間外での米株価先物や中国、上海株が上昇したことで一時+268円の2万1,820円まで上昇し、終値は+246円の2万1,798円と大幅続伸となりました。この日の10月SQ(特別清算指数)値は2万1,842円でしたが、終値は2万1,798円と下回って引けています。引け後の米国市場では、米中の部分的合意(対中関税の引き上げ回避、為替操作国としての認定の取り消しなど)が成立したことを好感し、NYダウは一時+517ドルまで上昇し、終値は+319ドルの2万6,816ドルで引けました。為替も1ドル=108.63円まで買われ(円安)、シカゴの日経先物は+240円の2万2,040円と2万2,000円の大台に乗っています。