日経平均は3週ぶり上昇、反発に期待?

 先週の国内株市場ですが、週末10月11日(金)の日経平均終値は2万1,798円となり、週足ベースでは3週ぶりの上昇でした。前週末終値(2万1,410円)からの上げ幅は388円です。

 週間の動きを振り返ってみると、米中閣僚級協議が10日(木)~11日(金)に控える中で米中関係にまつわる報道に一喜一憂する値動きがメインとなりましたが、終わってみればしっかりした印象だったと言えます。

 そして、肝心の米中協議の結果は「一部で合意」と報じられました。それを受けた週末11日(金)の米国株市場が上昇し、同じく日経平均株価指数先物取引の終値もCME(シカゴ)で2万2,035円と節目の2万2,000円台乗せを達成していますので、週明け15日(火)の取引は上昇スタートが見込まれます。

 また、日米企業の決算発表シーズンがこれから本格化していくタイミングでもありますので、米中関係の改善期待が継続し、国内外の景気や企業業績の回復見通しへとつなげることができれば、さらなる上値追いのシナリオも描けるかもしれません。

 となると、今週の焦点は「株価押し上げの推進力がどのくらいなのか?」の見極めになりますが、まずはいつもの通り下の図1で足元の状況から確認です。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2019年10月11日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 前回のレポートでは、いわゆる「アイランド・リバーサル」の形に注目し、75日移動平均線の維持がポイントになると指摘しました。先週の日経平均の値動きをチェックすると、75日移動平均線がしっかりサポートとして機能した他、アイランド・リバーサルの形成時に空けていた「窓」も埋めています。ひとまず下落が加速してしまう懸念が後退し、逆に反発が期待できる形で終えたと言えます。

 今週はさらに週末に飛び込んできた米中協議の一部合意が追い風になれば、2万2,000円前後まで株価水準を切り上げて、その維持や上放れがポイントになってきます。

 また、週末11日(金)のローソク足を見ると25日移動平均線を回復している他、前日10日(木)とのあいだに「窓」を空けています。これによって今度は10月3日~10日の期間のアイランド・リバーサルが形成され、上方向への意識が感じられる格好になっています。