上値メドを探る:4月高値と2018年高値に注目

 ひとまず上値のメドとして挙げられるのは、直近高値である9月19日の2万2,255円や4月24日高値の2万2,362円になりますが、4月高値を上回ることができれば「年初来高値更新」ゾーンに足を踏み入れることになります(下の図2)。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2019年10月11日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 そしてもう一つ、注目しておきたいのが昨年12月3日の高値である2万2,698円です。

 ちょうどこの時期は、中国企業の華為技術(ファーウェイ)の幹部がカナダで逮捕され、米中摩擦の構図が単なる通商問題だけでなく、ハイテク分野での覇権争いなど多岐にわたっていることを再認識させられるという出来事がありました。その後の日経平均は12月26日の安値(1万8,948円)まで下落していくことになります。

 そして、以降の日経平均は米中摩擦に対する期待と警戒で上げ下げを繰り返してきたわけですが、改めて上の図2を見てみると、2019年の日経平均の値動きは昨年12月の1カ月間の値幅内にとどまっていることが分かります。つまり、昨年12月高値を超えることで新たな相場局面入りと判断される可能性があるわけです。

 また、これまでに何度か紹介したことがあるエンベロープでも上値メドを探っていきます(下の図3)。

■(図3)日経平均のエンベロープ(25日MA基準)(2019年10月11日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 ここ数年の日経平均は25日移動平均線を中心に、通常は±3%、相場が大きく動いた局面で±6%の範囲内で動くことが多く、現在は25日移動平均線乗せのところに位置しています。先週末11日(金)時点での+3%は2万2,306円ですので、ちょうど、直近高値や4月高値と同じぐらいの水準ですし、仮にこのまま+6%のところまで上昇すれば、2万3,000円台も見えてきます。