為替DI:5カ月連続で円高見通し

楽天証券FXディーリング部 荒地 潤

 楽天DIとは、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円それぞれの、今後1カ月の相場見通しを指数化したものです。DIがプラスのときは「円の先安」見通し、マイナスのときは「円の先高」見通しを意味します。プラス幅(マイナス幅)が大きいほど、円安(円高)見通しが強まっていることを示しています。

図:DIの推移:2018年10月~2019年9月

出所:楽天証券経済研究所作成

ドル/円

出所:楽天証券経済研究所作成

「10月のドル/円は円安、円高のどちらへ動くと思いますか?」という楽天DIのアンケートに対して、全体(4,878人)の39%(1,894人)が「円高に動く」と回答しました。「円安に動く」は最も少ない25%(1,231人)で、それ以外の36%(1,753名)は「現在の108円前後で推移する」と回答しています。

 前回8月のDIは、2008年10月のリーマン・ショック以来となる▲46.06までマイナスに振れ、過去11年間で円高見通しが最も強まりました。

 9月のドル/円の終値は106.08円。8月終値に比べて2.74円のドル高/円安でした。月間レンジ(値幅)は2.74円。8月(4.86円)に比べて静かな相場でした。

 9月の安値は105.74円(9月3日)、高値は108.48円(9月18日)。高値と安値の50%は107.11円。ドル/円は105円台後半の安値圏からスタートして、月の半ばに108円台で高値をつけた後、下落。ほぼ50%の水準まで戻ってきたことになります。

10月のドル/円相場は、ドル高(円安)、ドル安(円高)のどちらへ行くか?

 まず注目したいのは、先月の高値と安値の50%にあたる107.11円です。この水準を基準にドル高、ドル安を判断します。

 ドル/円が107円台をしっかり維持できるなら、その一段上、9月高値の108.48円を目指して上昇する余地が生まれます。その次は8月高値の109.31円。

 逆に106円台に沈没して浮き上がれないなら、105.74円下抜けのリスクが点灯。その次は8月安値の104.45円。年初来安値更新の可能性も高まります。

ユーロ/円

出所:楽天証券経済研究所作成

 9月のユーロ/円の終値は117.80円。8月終値に比べて0.98円のユーロ高/円安でした。

 9月の安値は115.87円(9月3日)、高値は120.01円(9月13日)。高値と安値の50%は117.94円。

 9月の月間レンジ(値幅)は4.14円で、8月(4.15円)と同程度の値動きがありました。

10月のユーロ/円相場は、ユーロ高(円安)、ユーロ安(円高)のどちらへ行くか?

 10月のユーロ/円相場を考える時にまず注目したいのは、先月の高値と安値の50%にあたる117.94円。この水準をユーロ高(円安)/ユーロ安(円高)の分かれ目と考えます。

 おおよそ118円より下(ユーロ安)にいる限りは、ユーロ安/円高トレンド続行中と考えます。下のターゲットは9月につけた安値で年初来安値でもある115.87円。その下は2017年の安値となる114.82円になります。

 ユーロ/円が118円まで戻ってくるなら、ユーロ安のリスクが少し和らぎ9月の高値120.01円にチャレンジする可能性もでてきます。その上は120.70円がターゲット。

豪ドル/円

出所:楽天証券経済研究所作成

 9月の豪ドル/円の終値は72.95円。8月終値に比べて1.35円の豪ドル高/円安でした。

 9月の安値は71.08円(9月3日)、高値は74.50円(9月13日)。高値と安値の50%は72.79円。9月の月間レンジ(値幅)は3.42円でした(8月は4.92円)。

 

10月の豪ドル/円相場は、豪ドル高(円安)、豪ドル安(円高)のどちらへ行くか?

 10月の豪ドル/円相場を考えるときに最初に注目したいのは、9月の高値と安値の50%にあたる72.79円。この水準を豪ドル高(円安)/豪ドル安(円高)の分かれ目と考えます。

 72.79円から73円より下(豪ドル安)にある限りは、豪ドル安/円高トレンド続行中と考えます。下のターゲットは9月安値の71.08円。その下は年初来安値69.94円。

 逆に豪ドル/円が73円を超えるような相場に変わるなら、74.50円から75.00円の抵抗ゾーンをチャレンジする可能性が高まります。