PERの活用術

 PERが低くても株価がさらに値下がりすることも多いなど、PERは皆さんの想像以上に使いこなすのが難しい指標です。そのため筆者としてもあまり重視していません。

 筆者がPERを活用して割安株を選ぶときは、次の2点に注目します。

(1)業績が急速に伸びている銘柄ではないこと
 もし業績が急速に伸びていて、今後も伸びるのならば、PERが1桁などの低い水準で放置されているということは考えられません。逆に、足元の業績は絶好調である反面、今後の業績の伸びが鈍化したり、悪化することを投資家が見越しているからPERが低い水準で放置されているとみるのが無難です。

(2)業績が毎年伸びてはいないが、長い目でみて増収増益の傾向にあること
 業績が毎年伸び続けている成長株であれば、PERは高めになります。一方、業績が伸びたり伸びなかったり、といった銘柄は、成長株に比べるとPERは低くなります。

 しかし、長い目で見て増収増益の傾向にあるなら、業績が好調であることには変わりありません。PERが低く、評価されていない銘柄であっても株価は上昇する可能性が高まります。