9月の米雇用統計はまずまずの内容で、悲観を柔らぐ

 SIM景況指数の低下で米景気の先行きに不安が広がる中、4日に9月米雇用統計が発表になりました。雇用統計も悪ければ、悲観が広がるところでしたが、まずまずの内容だったので安心感が広がりました。

 9月の失業率は3.5%と、50年ぶりの低水準となりました。実質、完全雇用が続いています。

 米完全失業率の推移:2014年1月~2019年9月

出所:米労働省

 9月の非農業部門の雇用者数は、前月比13万6,000人増と、景気好調と判断される20万人増を下回っており、やや物足りない水準です。ただ、実質完全雇用化でこれくらい伸びていれば特に問題ないとの見方もあります。ただし、さらに業種別の内訳をこまかく見ると、製造業の雇用者が前月比でマイナスだったことに気づきます。製造業の景況悪化には不安があります。

 非農業部門の雇用者増加数(前月比):2018年1月~2019年9月

出所:米労働省