米国の景況は予想以上に悪化

 一方、先週発表になった、米国9月のISM製造業・非製造業景況指数は、予想以上の低下となりました。

 製造業は、好不調の分かれ目となる50を2カ月連続で割れ、47.8まで低下しました。好調を維持していた非製造業の景況も、52.6まで低下しました。

 米SIM製造業・非製造業景況感指数の推移:2014年1月~2019年9月

出所:米SIM供給公社

 米中貿易戦争のマイナス影響が、米国の製造業にまで及んできていることがわかります。ただ、米国は早くから製造業の空洞化が進んでおり、製造業が米景気全体に及ぼす影響はさほど大きくありません。製造業が米国のGDP(国内総生産)に占める比率は、わずかに1割程度です。米国の株価指数で見ても、IT・ヘルスケア・金融などの比率が高く、製造業の比率はさほど高くありません。

 米景気は、製造業が悪化しても非製造業が好調ならば問題ないとの見方もあります。ところが、9月のISM景況指数では、非製造業の低下も目立ちました。米中貿易戦争が米国の消費やサービス産業にも及ぶ懸念が出ました。