遺留分とは相続人が相続できる「最低限の取り分」

 法定相続人とは「民法で定められた相続の権利がある人」で、法定相続分とは「民法で定められた法定相続人が相続できる遺産の割合」です。法定相続人は被相続人との関係で優先順位が決まります。被相続人の配偶者は常に法定相続人で法定相続分は1/2です。

 子は法定相続の第1順位で法定相続分は1/2です。子が3人いれば3人合わせて1/2なので1人当たりは1/6になります。子がすでに亡くなっていれば、直系卑属(被相続人の孫やひ孫)が代襲相続します。被相続人に子が1人もいない場合は、直系尊属(被相続人の親)が第2順位になり、その法定相続分は1/3です。さらに祖父母もすでにいなければ、被相続人の兄弟姉妹が第3順位になり、その法定相続分は1/4です。子のいない夫婦で夫が亡くなれば、妻は夫の兄弟姉妹と財産を分け合うことになります。

 遺留分とは、「相続人が相続できる最低限の取り分」のことです。遺言書で「長男にすべての遺産を渡す」と書いてあっても、他の相続人が遺留分を主張すれば、最低限の遺産がもらえます。