製造業の不況がサービス業に伝染

 9月非農業部門雇用者数の予想は14.5万人とまずまずの強さ。しかし、表面上の数字が良くても安心はできません。

 製造業の雇用は堅調に見えますが、実は工場労働者の就労時間が短縮されているという調査もあります。人手は確保しておくけれど、見合った生産があるわけではなく、部門全体で見ると逆に生産は減少している。労働時間の短縮で賃金が減った労働者は、外食したりレジャーにお金を使ったりしなくなるので、不況がサービス業へ伝染する悪循環が生まれます。

 

過去のデータにも注目

 雇用統計では、速報値だけではなく改定値も注目です。改定値の方が雇用市場の実態をより正確に表しているという意味でより重要ともいえます。非農業部門雇用者数は、ここ数ヵ月連続して下方修正されています。雇用市場が勢いを失っている兆候です。

 速報値では見えない部分で雇用市場の「衰退」が始まっているならば、FRBの12月「追加利下げ」のリスクが高まるでしょう。