トランプ大統領の発言に振り回されてきた株式市場   

 過去2年、世界の株式市場は、トランプ・ショックに何度も見舞われてきました。トランプ大統領が対中制裁強化を発表すると、米中対立がエスカレートして世界景気を悪化させる不安から、世界的に株が下がりました。トランプ大統領が中国に融和的な発言をすると、不安が緩和し、世界的に株が上がりました。

 日経平均も、トランプ発言に振り回され続けています。

日経平均株価の動き:2017年12月末~2019年9月27日 週足

 出所:楽天証券経済研究所が作成

 上は、過去2年の日経平均の動きを表しています。この期間、トランプ・ショックによる急落局面が5回ありました。世界景気は、2018年は好調でしたが、トランプ・ショックと並び、米金利上昇が、世界的な株の押し材料となっていました。 ところが、2018年末から2019年にかけて世界的に景気が悪化しつつあります。そこからは、トランプ・ショックと並び、世界景気悪化の不安が、世界的な株の下押し材料となっていました。日経平均は、これらの材料に反応して、動いてきました。

 

目先、日経平均は2万2,000円の値固めへ、日本株は「買い場」の見方変わらず

 最終的な結論は、毎回述べていることと、同じです。日本株は買収価値や配当利回りから見て「割安」と判断しています。不安があって株価が安くなっている局面で、日本株を積極的に買っていくことが、長期的な資産形成に貢献すると考えています。 私は、トランプ大統領がこれ以上、米中対立をエスカレートさせなければ、2020年4月ころから世界景気は回復に向かうというメインシナリオを想定しています。その実現確率が少しずつ高まってきていると考えています。2018年末、日経平均は2万3,000円~2万5,000円まで上昇するとの予想を維持します。2万2,000円の壁を、10月中にも上抜けする可能性があると考えています。

 

▼著者おすすめのバックナンバー

9月26日:10~12月の人気優待トップ10:アナリストの視点でチェック

9月19日:米2回目の利下げ0.25%、FF金利予測で利下げ打ち止め示唆。パウエル会見受けNYダウ持ち直し