すっかり出遅れてしまったという場合は?

 今回の日本株上昇を意外に思っている方も多いのではないでしょうか。筆者も8月上旬の急落の後、空売りをかなり多めにしていましたし、さらなる急落に常に備えていました。

 このように、株価が下がる可能性が高いと思っている状態で、逆に株価が大きく上昇すると、心の準備ができていないため何も買うことができなかった、というケースが相当あると思います。

 でも、今からやみくもに買うべきではありません。足元の上昇が頭打ちになって下落に転じる可能性も否定できないからです。

 対応策としては「出遅れ銘柄の買い」と「押し目買い」になります。まだ移動平均線を超えたばかりのかい離率が小さい銘柄や、この先移動平均線を超えてきた銘柄を買うのが1つの方法です。

 ただ、出遅れ銘柄は、今回の上昇の中心とならない可能性も高いです。全面高の展開となれば、出遅れ銘柄も含めほぼ全て買われることになります。しかし、そうならなければ、出遅れ銘柄ばかり保有していると、日経平均株価は大きく上昇するも自分の持ち株は全然上がらない…ということになりかねません。

 そこで、すでに足元で上昇して、移動平均線からのかい離率が高い銘柄の調整局面を待ちます。いわゆる押し目買いです。

 資金配分としては、例えば投資可能資金の50%をマックスで投下するのであれば、25%を出遅れ銘柄の買い、25%を押し目買いとします。

 ただ、押し目買いをしようとしている銘柄の株価がどんどん上昇してしまい、押し目買いの機会がなければ、その銘柄はあきらめざるを得ません。

 したがって、ひとまずは出遅れ銘柄50%買っておき、押し目買いができる銘柄が出現したら、その銘柄を買う一方で、出遅れ銘柄の一部を売却するようにすれば、出遅れ銘柄から押し目買い銘柄に資金をシフトすることができます。

 もし、今回の上昇で株を買い仕込むことができず「ただ眺めていただけ」という方は、今後はそのようなことがないようにしましょう。もし大相場が将来的に訪れるとすれば、上昇の初期段階で、ある程度の株を保有しておくことが、利益を大きく伸ばすために必要となってくるからです。