基本に立ち返ると、上昇トレンド入りまであとわずか?

 こういう「迷いの時」こそ、敢えてキホンに立ち返ることが重要かもしれません。下の図4は週足の日経平均のチャートです。

■(図4)日経平均(週足)の動き(2019年9月20日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図4でのポイントは、株価の推移と二本の移動平均線(26週と52週)のクロスです。テクニカル分析における基本中のキホンの見方になります。

 このクロスによって中期トレンドが形成されていることが分かりますが、現在は26週移動平均線が52週移動平均線を上抜けておらず、まだ上昇トレンド入りしていませんがその距離はあとわずかです。もちろんクロスできずに跳ね返されてしまう可能性はあるものの、一応期待できる状況と言えます。

NYダウは上昇トレンド続く?株価の調整も想定を

 その一方で、短期的には米国株市場の影響を受けやすくなっているため、最後に米NYダウ平均株価の状況も確認していきます(下の図5)。

■(図5)米NYダウ(日足)の動きとボリンジャーバンド(2019年9月23日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 米NYダウは2万7,000ドルあたりの株価水準で何気に最高値圏に位置しています。

 さらに、ボリンジャーバンドでボラティリティとトレンドの方向性を見ていくと、9月に入ってからバンドの幅が拡大し、株価が+2σ(シグマ)に沿って上昇した後、+1σとの範囲内での推移が続いてきました。

 ボリンジャーバンドには、バンドの幅が拡大してトレンドが発生した際、反対側のバンドの向きが変わったところで、いったんトレンドが一服しやすいという見方があります。実際に図5を見ると、上昇トレンド発生後に▲2σの向きが下方向から上方向にクィッと変わり、上昇が一服した場面がいくつか見られます。

 ここで気を付けるのは、あくまでもトレンドが一服することであって、トレンドが転換するわけではないということです。

 このまま+1~2σの範囲内で株価が上昇していく展開となれば、いわゆる「バンドウォーク」という形となり、今度は強いトレンドとして意識されることになります。反対に株価が下方向に向かうと、▲2σ辺りが下値の目安として意識されやすくなります。ただし、23日(月)の取引終了時点でのNYダウは+1σを下抜けているため、株価の調整も想定しておく必要が出てきました。

 そのため、今週の日本株は戻り待ち売り圧力の意識と米国株の短期的な揺さぶりに耐えながら、中長期的な株価上昇期待へとつなぐことができるかが焦点になりそうです。