短期的には上昇の勢いに陰りが見られる

 週足チャートから見た日経平均の中期的な見通しについては、特に前回からの見方に変更はありませんが、短期的には上昇の勢いについて注意しておきたい点がいくつかあります。

■(図2)日経平均(日足)の動き(2019年9月20日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2は日経平均の日足チャートですが、先週のローソク足の色に注目すると、4営業日のうち、3営業日が陰線となっていることが分かります。また、19日(木)のローソク足の上ヒゲが長くなっていることや、その上ヒゲがつけた高値(2万2,255円)も4月24日の年初来高値(2万2,362円)に届いていません。連騰記録も10日間でストップしています。

 もちろん先ほどの相場環境を考慮すれば上昇ピッチが一服しても何らおかしくはなく、むしろ「そんな市場ムードでも株価水準を維持できた」と解釈すれば、引き続き年初来高値をトライする状況は維持されていると見ることができます。図の中にある移動平均線も上向きとなっており、形は悪くありません。「相場は不安の崖を這い登る」という言葉の通り、多少の不安材料があるぐらいの方が上がって行ってしまうのも「相場あるある」です。

 ただし、「戻り待ち売りの重たさ」については考えておく必要がありそうです。

■(図3)日経平均(日足)の動き その2(2019年9月20日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3は期間が長めの日経平均チャートですが、2万2,000円~2万3,000円の価格帯は2018年4月から10月の半年近くにわたってもみ合いが続いていたことが分かります。ちょうど一年前の時期ですので、どこまで戻り待ち売り圧力が大きいかは読み切れませんが、上値を伸ばしていく際の障害として意識される可能性はありそうですので、今週は日々の取引量(売買代金&売買株数)の多さも注目されることになります。

 結果的に、足元の日経平均の見方は「短期的には株価上昇の勢いに陰りが見られるが、中期的には上方向を目指している」ということになるのですが、相場環境を整理すると状況は芳しくなく、年末の株高に向けての期待や自信が高まりにくくなっているのも事実です。