「リスクオフで円高」を逆手に取る

 だからこそ相場の上下動に頭を悩ませない投資を「長期+分散+積み立て」で行うという考え方も一理あります。しかし一方で、頭を使わないお任せ投資ではなく、自分で考えてより高い投資パフォーマンスを目指したい、脳トレを楽しみたいという投資家もいるでしょう。そんなDIY(Do It Yourself)投資を資産の一部だけでもしたいという人も多いでしょう。

 そういう方には、ドル/円相場の「リスクオフで円高」「リスクオンで円安」という明快、かつ強烈な指針を活用しない手はありません。景気に沿って、リスクオンの追い風が吹くときには投資をより積極化し、リスクオフの兆候が出始めたらリスクの高い投資資産を売って身軽にすることの繰り返しです。

 そんな名人芸をできるはずがないという専門家もたくさんいます。

 確かに予言のような相場分析は存在しません。しかし、投資の青信号と赤信号の切り替わり期には、黄信号があるのです。2018年後半には、米国で長期金利が景気中立水準と目された3%を上抜け、住宅投資がマイナスになり、大型株が反落するという黄信号が順当に点滅しました。予言はなくても、こうしたシグナルに素直に忠実に対応するのみです。