次の目安は2万1,500円?上昇は続く?

 セオリー通りならば、これまでのレンジをブレイクしたため、さらなる上値追いも期待できます。実際に、先週末時点では38.2%押し(2万1,058円)のラインも突破しています。次の目安としては23.6%押し(2万1,557円)が意識されてもおかしくはありません。

 また、再び8月のレンジに注目すると、レンジの上限が8月9日高値の2万782円、下限が8月6日安値の2万110円ですので、その値幅は672円です。「レンジがブレイクしたときはレンジの幅だけ動く」とも言われていますので、単純に計算すれば、2万782円から672円を上乗せした2万1,454円となり、ほぼ2万1,500円水準となります。

 今週末はメジャーSQが控えている他、米中摩擦も「10月までは一時休戦」という見方が支配的となれば、2万1,500円トライは十分あり得ると考えて良いと思います。

 ただし、これが「本格的な株価の戻り基調の回復なのか?」と問われると、懐疑的な見方があるのも事実です。先週の株高材料についても、香港のデモがこのまま収束されるのか、そしてブレグジットを巡る情勢も依然として先行きは不透明ですし、米中協議についても再開されたところで具体的な進展があるとは言い切れません。米中関係はこれまでも「事態の悪化と協議の再開」というサイクルを繰り返してきました。

 そのため、先週の株価上昇はあくまでも8月のレンジ相場で溜まったうっぷんを晴らすガス抜き的な動きによる「一時的なボラティリティの高まり」と捉えれば、足元の株価上昇は長くは続かないと考えることもできるわけです。

200日移動平均線が上値の抵抗に

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2019年9月6日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2は日経平均の日足チャートです。先週のローソク足の並びに注目すると、9月2日(月)~4日(水)は25日移動平均線に上値を抑えられる格好だったのが、5日(木)に「窓」空けで75日移動平均線に乗せる大陽線となり、6日(金)は迷いを示す十字線となっています。

 また、6日(金)の十字線は200日移動平均線のところに位置しています。

■(図3)日経平均(日足)の動き その3(2019年9月6日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3を見ても分かるように、昨年10月高値以降の日経平均はこの200日移動平均線が上値の抵抗となっていることが多く、上抜ける場面もありますがその期間は比較的短期間です。