ETFの比較の仕方

 では、同じようなベンチマークを対象としたETFが二つ存在したとして、どちらを買えば良いのでしょうか?

 私自身が励行していることは「より出来高の多いETFを選ぶ」ということです。なぜなら、出来高が多いETFほど活発にアービトラージも行われ、その結果、乖離も少ないからです。

 ここで気をつけなければいけないことは、種類の違うETF同士は、出来高だけで比較できないということです。

 一例としてS&P500指数をトレースするETFは、S&P500指数そのものが活発に取引されている関係で、どれも出来高は多いです。しかし、これが例えばベトナムのETFになると、そもそもベトナム市場というものがマイナーな存在なので、ETFの出来高も小さくならざるを得ないというわけです。

 新興国のETFの場合、現地市場で現物株を取引きするコストは、ニューヨーク市場などよりかなり割高です。取引コストが高いと、証券会社がアービトラージするときの「そろばん」も、かなり変わってきます。言い換えれば、よっぽど乖離が大きくなければ、わざわざアービトラージを試みても取引コストの方が高くなり、足が出てしまうということもあるのです。

 結論として、マイナーな市場の株価指数をベンチマークとしたニッチ的なETF商品の場合、ある程度の乖離が出るのは我慢せざるを得ないということです。

第3章「これがベストセラーだ」はこちら