ランキング上位の銘柄について、直近の動きを確認

 売買ランキングのTOP5に入った銘柄について、直近の動向を見ていきたいと思います。

アマゾン・ドット・コム(AMZN)

出所:トムソン・ロイター(現地8月16日まで過去1年間)

 売買ランキング1位はアマゾン・ドット・コム(AMZN)です。前述の通りこの下落局面で買いが優勢となり、買いが売りの2倍近くまで膨らみました。7月後半には株価が2,000ドルを超える場面もありましたが、そこから一気に1,800ドルを割り込む場面もあり、割安感が強まったようです。

 ちなみに米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイ(BRK B)が4-6月期にアマゾン株の保有残高を11%増やしたとの報道がありましたが、タイミング的に見るとバークシャーも前回6月頃にアマゾンの株価が1,800ドルを割り込んだ時に買ったということなのかもしれません。

 ただ、個人的にはここで下げ止まるのか、それとも昨年の10~12月のように1,500ドルや1,300ドル台へと1段、2段下げの展開となるのかまだ読めないところもあると思いますので、当面の間は慎重なスタンスで臨んだ方が良いとも考えています。

Direxion デイリー S&P 500 ベア3倍 ETF(SPXS)

出所:トムソン・ロイター(現地8月16日まで過去1年間)

 2位はDirexion デイリー S&P 500 ベア3倍 ETF(SPXS)となりました。普段はETF(上場投資信託)銘柄については説明していませんが、今回はこの下落局面ですので、少し見ていきたいと思います。

 このETFは日経平均株価のインバース型ETF、ベア型ETFのような形で、米国のS&P500指数が「下落した」場合に「値上がり」するETFで、しかも指数が「1%下落した」場合「3%上昇する」ように設計されているETFです。

 売買動向を見ると、今回の下落局面では買いがやや多いものの、ほぼ売り買い拮抗となっております。最初の下落局面で買ったものの思ったよりも下がらず手仕舞いしたのか、それとも利益を確定したのかまでは分かりませんが、売買動向からすると、このまま下げ続けると考えている方はそれほど多くはなさそうです。

 ちなみに、こうしたETFは日々の値動きは設計通りに動く場合が多いものの、1週間、1カ月とある程度の期間保有した場合、対象指数が最終的に横ばいだったとしてもETFの価格が当初の価格よりも値下がりしている場合もあります。「3倍」というその値動きの大きさと併せて、ご投資の際はその商品特性に十分ご注意いただければと思います。