2.会社側は2020年3月期通期業績予想を変更しなかったが、上方修正の可能性がある

 今1Qの業績を見て、会社側は2020年3月期上期業績見通しを上方修正しました。従来の今上期会社予想、売上高3,400億円(前年比1.6%増)、営業利益310億円(同29.4%減)は、売上高3,400億円(同1.6%増)、営業利益400億円(同9.0%増)へ上方修正されました。

 ただし、減収減益見通しの2020年3月期通期会社予想は据え置かれました(2020年3月期会社予想は、売上高7,200億円(前年比1.7%減)、営業利益700億円(同16.7%減))。会社側は、まず市場動向や顧客動向を慎重に見極めたいとしています。また、家庭用ゲームで今年9月に「CODE VEIN」(PS4、Xbox One、STEAM(PC))、2020年1-3月期に「ドラゴンボールZ KAKAROT」(PS4、Xbox One)、「ONE PIECE 海賊無双4」(PS4、ニンテンドースイッチ)の発売を予定しており、スマホゲームも新作投入が今1Q1作に対して今2Qは9作の投入を予定しています。そのため、今2Q以降に開発費と販売費がかかる見込みです。

 ただし、今1Qの好調さを見ると、会社予想では今2Q以降は営業減益になるという見方は不自然であると思われます。今年は「機動戦士ガンダム40周年」、来年は「ガンプラ40周年」とトイホビーが盛り上がる要素があること、家庭用ゲームで成果が出ていることを考慮すると、会社予想は上方修正の可能性があると思われます。

 また、トイホビーでガンプラの生産能力増強を計画しており(2020年秋以降に稼働予定)、これは来期業績に貢献すると予想されます。

 このため、楽天証券では、前回業績予想、2020年3月期売上高7,700億円(前年比5.1%増)、営業利益920億円(同9.5%増)、2021年3月期売上高8,100億円(同5.2%増)、営業利益1,000億円(同8.7%増)を維持します。引き続き安定成長が期待できると思われます。

3.目標株価を6,800円から7,500円に引き上げる

 今後6~12カ月間の目標株価を7,500円とします。楽天証券の2021年3月期予想EPS323.5円に想定PER20~25倍を当てはめました。前回の6,800円から引き上げます。引き続き投資妙味を感じます。

表7 バンダイナムコIP別売上高(グループ全体)

単位:億円
出所:会社資料より楽天証券作成