投資機会は?

 ゴールドの値動きをそのままトレードしたい場合、最も適した投資対象はゴールドのETFになります。SPDRゴールドシェア(GLD)というETFがあります。このETFはニューヨーク証券取引所に上場されており、ちょうど米国株に買い注文を出すのと同じやり方で購入することができます。

 金価格上昇局面では金鉱株を買うという手もあります。金鉱株は産金会社と呼ばれることもありますが、要するにゴールドを発見し生産することを目的にした鉱山会社です。

 一般に産金会社は地中にたくさんのゴールドのリザーブ(埋蔵量)を保有しています。そのうちのほんのわずかを毎年掘り出し、利益を上げているのです。だから含み価値が大きいと考えることができます。

 その半面、金を地中から掘り出すにはコストがかかります。金価格が低迷している局面ではせっかく掘り出してもコストの方が多くかかってしまい、採算に合わないこともあります。その上、企業によっては沢山の借金を抱えているところもあり、そんな、こんなでゴールドETFを購入するより金鉱株を購入するのはリスクが高いのです。

 その半面、金価格上昇局面では当期利益や含み価値はみるみる上昇するので、しばしば金価格そのものの動きより金鉱株の値動きのほうが荒っぽくなるのです。

 米国を代表する産金会社にニューモント・ゴールドコープ(NEM)があります。この企業は老舗ニューモント・マイニングがゴールドコープと最近合併してできた会社です。

 バリック・ゴールド(GOLD)は最近、ティッカーシンボルが「GOLD」になったばかりですが、カナダに本社を置く大手産金会社です。その株式はニューヨーク証券取引所で取引されています。ニューモント・ゴールドコープと並んで最も有名な産金会社と言えます。

 アングロゴールド・アシャンティ(AU)は南アフリカに本社がある大手産金会社です。アフリカ大陸に有力金山を沢山持っています。

 ヤマナ・ゴールド(AUY)はブラジル、チリ、アルゼンチンなど南米の金山のポートフォリオで有名な企業です。

 ゴールドフィールズ(GFI)は南アフリカ、ガーナ、オーストラリア、ペルーなどに金山を持っています。

 ハーモニー・ゴールド・マイニング(HMY)は南アフリカとパプアニューギニアに金山を持っています。