誰がゴールドを買っている?
需給関係の面でとりわけ注目されているのは中央銀行によるゴールド買いです。第2四半期中、世界の中央銀行が224トンもの金の延べ棒を準備金の目的で購入しました。2019年上半期の中央銀行によるゴールド購入は374トンで、過去19年で最高でした。
図3:中央銀行によるゴールドの購入
ゴールドETF(上場投資信託)にも資金が流入し始めています。
とりわけ欧州の機関投資家が積極的にゴールドETFを購入しています。第2四半期のゴールドETFからの需要は67.2トンで、これによりゴールドETFは現在、2,548トンのゴールドを保有、過去6年で最高となっています。
これはドイツを中心とした欧州各国の景況感が悪化しており、ECB(欧州中央銀行)が金融緩和に動くのではないか? という観測が出ていること、そして英国の首相にボリス・ジョンソン氏が選ばれ、英国による合意なきEU(欧州連合)離脱、すなわち「ハード・ブレグジット」の公算が高くなったことを反映していると思います。つまり、イベントリスクに備える動きです。
個人投資家によるゴールドコインや金の延べ棒の購入は前年比▲12%の218.6トンと低調でした。
ジュエリー向けの需要は第2四半期に前年比+12%の168.8トンでした。インドの婚礼向けジュエリーが好調でした。
全体として第2四半期のゴールドの需要は前年比+8%の1,123トンでした。