中長期的にも次の方向感を待っている

 中長期的に見ても、現在の日経平均は「次の展開」を探っている最中です。

■(図4)日経平均(週足)の動き(2019年8月2日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 中期的な日経平均は、2016年の春先に出現した「トリプルボトム崩れ」の安値同士を結んだ線に沿って上昇トレンドを描いてきましたが、昨年10月2日の高値以降に下落へと転じたことで「ダブルトップ」のような形で天井を形成し、以降は上値を切り下げる一方で下値が切り上がる「三角もちあい」を描くような格好で推移していますので、中長期的に次の方向感が出てくるのを待っている状況と言えます。

 確かに、米国の対中制裁関税第4弾の実施警戒が飛び込んできたことによって、国内外の株式市場は大きく下落する反応を見せましたが、今回の発表はFOMC直後であることや、中国の北戴河会議など、タイミングとしてはかなり政治的な意図があるほか、さらなる制裁対象の拡大は米国経済への悪影響が避けられないこともあり、現時点で9月1日の制裁発動以降の不安を先取りしていくのは少し難しいと言えます。さらに、FRB(米連邦準備制度理事会)が次回のFOMCで利下げに動かざるを得なくなるという見方も浮上しているため、金融相場が継続することも考えられます。

 そのため、今週はこのまま下げ足を速めてしまう動きが濃厚ですが、ある程度のところで反発していく展開も十分にあり得ます。もちろん、前回のレポートでも指摘した通り、下方向への意識が強い状況ですので、下げ止まる株価水準が2万円台を割れてしまうと、中期的な下落トレンド形成の始まりとなる可能性があるため、「まずは下げ止まり」の株価水準を確認するのが焦点になります。

※来週(8月13日)は夏季休暇のためお休みとなります。