2万1,000円台の攻防に注目

 先週末の先物取引市場でも終値が大阪取引所で2万900円、CME(シカゴ)で2万910円となっているため、今週は2万1,000円台の攻防が注目される格好で取引がスタートしそうですが、下の図2を見ても分かる通り、2万1,000円は単なる株価水準の節目以上に意識されていることが分かります。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2019年8月2日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 となると、2万1,000円割れが進んだ際にどこまで下がってしまうのかが気になるところです。その場合、下値サポートとして意識されそうなのは、2018年12月26日の安値と2019年6月4日の安値を結んだトレンドライン、もしくは6月4日の安値そのものになります。

 ちなみにその6月4日安値は2万289円です。今後、中国が米国に対抗策を示すなど米中摩擦の悪化懸念が高まれば、この水準まで日経平均が下落してしまう可能性はあるのですが、実はここまでの下落ならば、まだ市場は冷静と受け止めて良いと思われます。

■(図3)日経平均(日足)の動き その3(2019年8月2日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3は昨年10月2日の高値(2万4,448円)から12月26日の安値(1万8,948円)の下げ幅に対する戻り水準のラインを描いたものですが、今年に入ってからの日経平均は半値戻しである50%と38.2%戻しの範囲内で推移している場面が多いことが分かります。

 38.2%戻しのラインは2万1,049円ですので、ほぼ2万1,000円です。この事からも2万1,000円台が意識される理由の一つになっているとも言えます。先ほどの6月4日の安値も23.6%戻しの水準とほぼ一致します。

 ですので、半値戻し(2万1,698円)から38.2%戻し(2万1,049円)がメインの想定レンジとなり、上振れたら61.4%戻し(2万2,347円)、反対に下振れたら23.6%戻し(2万246円)まで動きそうというのがサブの想定レンジになります。日経平均は昨年末に見せた下げ幅の範囲内で動いていることに変わりがなく、一定の落ち着きどころをまだ維持していることになります。ただし、23.6%戻しラインを下回ってしまった場合は要警戒です。