5年ごとに作成される「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」の公表が参議院選挙後に先送りになったため、アベノミクスが将来の年金見通しにどのような影響を与えたのかを確認できず、選挙戦では、抽象論が飛び交うことになりました。
議論が盛り上がらなかったことは残念ですが、次の参議院選挙は3年後、衆議院議員の任期満了日は2021年10月21日です。
消費税増税で支持率低下は避けられないでしょうし、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が控えているので、しばらくは解散・総選挙もなさそうです。年金や人生100年時代を見据えた政策論争を行うには良いタイミングと言えそうです。
年金だけで暮らせないのは想定内?
麻生財務相に受け取ってもらえなかったばかりか、閣議決定で政府答弁の回答拒否の対象となってしまった金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」ですが、皮肉なことに、「日本の年金制度と将来展望に関心を集めた」という意味では、大成功の報告書でした。
改めて年金問題を振り返ると、世代間の不公平感や支払った掛金に比べて受給額が見合わないという批判もありますが、年金だけでは食べていけないという事実をハッキリと突き付けられたことで、騒ぎが大きくなったように見えます。