プロジェクトF・ファンドの挑戦者

 続いて、国内債券部門の最優秀賞受賞ファンド「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」をラインアップするシリーズの他、同社の「SMAM投信直販ネット」(現名称は「三井住友DS投信直販ネット」)を生み出したリーダーであるオンラインマーケティング部長の宗正彰さんに、誕生秘話を独占インタビューしました。

投信業界初!ネット直販の仕掛人は人気ラジオパーソナリティ?

投信業界で「日本初」の仕掛人がネット直販スタート!

「もともとはDC(確定拠出年金)向けから派生させたファンド。それが多くの個人投資家の皆さまから高い評価をいただき、感慨深いですね」

 三井住友DSアセットマネジメントのオンラインマーケティング部長の宗正彰さんは、国内債券部門の最優秀ファンド賞を受賞した「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」についてこう話す。宗正さんは、中央三井信託銀行(現・三井住友信託銀行)にて、運用企画、ファンドマネージャー、株式アナリストを歴任。上場企業の経営戦略担当取締役を経て、2008年に三井住友アセットマネジメントに入社。情報発信部門を創設した後、続けてオンラインマーケティング部門を立ち上げ、責任者となった。

 しかし、なぜDC向けのファンドを、個人投資家向けに販売することになったのか。そもそものきっかけは、大手運用会社では日本初のネット直販事業を立ち上げたことにある。宗正さんはこう振り返る。

「当時、情報発信部門を立ち上げた後も、さらに投資の重要性を世の中に広めることが運用会社の使命であるという考えを持っていました。米国のように多くの人が長期分散投資を始めれば、この国はもっと豊かになる。だから、我々も啓蒙活動に取り組むべきだと。そのためには、お客さまと直接つながるネットチャネルが必要だと」

 2014年10月、早速オンラインマーケティング部門を新設、直販チャネル開設に向けての準備に取りかかる。ところが、これが一筋縄ではいかない。
「何しろ大手運用会社では日本初の試み。どこにもお手本がないのです。手探りで一つ一つ作り上げていくしかなかった。しかも、プロジェクトスタート時点で、翌年の2015年4月に口座開設の受付を始めることが決まっていた。準備期間はたった半年しかなかったんです」

 メンバーは宗正さんを筆頭に、たった4人。ネット直販向けの商品開発と、申込受付ウェブサイトや業務システムの開発などなど――これを同時に行わなければならなかった。一つの問題を解決したら翌日にはまた違う課題が見つかるといった日々。メンバーが悪戦苦闘を続けている様子を見かねた他部署のスタッフたちのサポートも受けながら、何とか乗り切った。

 そして2015年4月、「SMAM投信直販ネット」(現名称は「三井住友DS投信直販ネット」)はスタートする。