楽天証券のお客さま約2万8,000人の投票で投資信託(ファンド)を選ぶ中立性と実用性の高い「第4回・楽天証券ファンドアワード」。このアワードの最優秀ファンドをクローズアップする「プロジェクトF~ファンドの挑戦者たち」シリーズをお届けします。
第4回楽天証券ファンドアワード最優秀賞
国内債券部門:三井住友・日本債券インデックス・ファンド
国内債券部門の最優秀賞に輝いたのは「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)です。
この授与を記念し、同社代表取締役社長兼CEO・松下隆史氏と、楽天証券代表取締役社長・楠雄治の特別対談のもようをお伝えします。
そして、ファンド商品開発から、日本の投資人口拡大にも尽力する同社社員の熱い想いにも迫ります。
三井住友DSアセットマネジメント代表取締役社長兼CEO・松下隆史氏✖楽天証券代表取締役社長・楠が対談
楠 2016年、2017年に引き続いて、3年連続で国内債券部門の最優秀ファンドに「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」が選ばれました。
松下社長 ありがとうございます。国内公社債市場の代表的な指数である「NOMURA-BPI(総合)」に連動した投資成果を目指すインデックスファンドとして、3年連続で支持をいただけたのはうれしいことです。御社の投資信託のお客さまはどういった傾向でしょうか。
楠 2018年1月からスタートした、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)などの制度支援もあって、口座開設数、投資信託の積立額ともに、順調な伸びを見せています。従来、マーケット環境に左右されることが多かったのですが、マーケット動向に関係なく、少額でも積み立てを始められるお客さまが増えています。
松下社長 投資信託で長期的に資産形成することの有益性を感じるお客さまが増えてきたことは、喜ばしいことですね。当社も投資初心者の方が始めやすいように、信託報酬も低めに設定したファンドを多くラインアップしています。
楠 弊社グループが運営する「楽天ポイント」をきっかけに、投資未経験者の方が投資信託積み立てを始めています。ネットショッピングのついでに資産形成する。そんなマインドセットができたらいいですね。
プロジェクトF・ファンドの挑戦者
続いて、国内債券部門の最優秀賞受賞ファンド「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」をラインアップするシリーズの他、同社の「SMAM投信直販ネット」(現名称は「三井住友DS投信直販ネット」)を生み出したリーダーであるオンラインマーケティング部長の宗正彰さんに、誕生秘話を独占インタビューしました。
投信業界初!ネット直販の仕掛人は人気ラジオパーソナリティ?
投信業界で「日本初」の仕掛人がネット直販スタート!
「もともとはDC(確定拠出年金)向けから派生させたファンド。それが多くの個人投資家の皆さまから高い評価をいただき、感慨深いですね」
三井住友DSアセットマネジメントのオンラインマーケティング部長の宗正彰さんは、国内債券部門の最優秀ファンド賞を受賞した「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」についてこう話す。宗正さんは、中央三井信託銀行(現・三井住友信託銀行)にて、運用企画、ファンドマネージャー、株式アナリストを歴任。上場企業の経営戦略担当取締役を経て、2008年に三井住友アセットマネジメントに入社。情報発信部門を創設した後、続けてオンラインマーケティング部門を立ち上げ、責任者となった。
しかし、なぜDC向けのファンドを、個人投資家向けに販売することになったのか。そもそものきっかけは、大手運用会社では日本初のネット直販事業を立ち上げたことにある。宗正さんはこう振り返る。
「当時、情報発信部門を立ち上げた後も、さらに投資の重要性を世の中に広めることが運用会社の使命であるという考えを持っていました。米国のように多くの人が長期分散投資を始めれば、この国はもっと豊かになる。だから、我々も啓蒙活動に取り組むべきだと。そのためには、お客さまと直接つながるネットチャネルが必要だと」
2014年10月、早速オンラインマーケティング部門を新設、直販チャネル開設に向けての準備に取りかかる。ところが、これが一筋縄ではいかない。
「何しろ大手運用会社では日本初の試み。どこにもお手本がないのです。手探りで一つ一つ作り上げていくしかなかった。しかも、プロジェクトスタート時点で、翌年の2015年4月に口座開設の受付を始めることが決まっていた。準備期間はたった半年しかなかったんです」
メンバーは宗正さんを筆頭に、たった4人。ネット直販向けの商品開発と、申込受付ウェブサイトや業務システムの開発などなど――これを同時に行わなければならなかった。一つの問題を解決したら翌日にはまた違う課題が見つかるといった日々。メンバーが悪戦苦闘を続けている様子を見かねた他部署のスタッフたちのサポートも受けながら、何とか乗り切った。
そして2015年4月、「SMAM投信直販ネット」(現名称は「三井住友DS投信直販ネット」)はスタートする。
発想の転換で、DCファンドを個人向けに
ネット直販窓口開設当初の扱いファンドは「SMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)<愛称:資産配分おまかせくん>」「三井住友・ライフビュー・バランスファンド30(安定型)」「三井住友・ライフビュー・バランスファンド50(標準型)」「三井住友・ライフビュー・バランスファンド70(積極型)」の4本(現在は計8本)。いずれもバランス型のアクティブ・ファンドだが、実はこれらはすべてDC向けファンドだった。
長期投資や分散投資、積み立て投資を世の中に広めるという目的で直販事業を立ち上げ、これに適したファンドを販売する予定だった同社。具体的に何を販売すべきか検討を重ねるうちに、「自分たちが運用するDC向けファンドの中にいくらでもあるじゃないか」と気づいたという。DC向けファンドのため、販売手数料はゼロ。信託報酬も低めに設定してあったのだ。
スタート時、口座数は順調に増えていく。だが、宗正さんはそれに満足することなく、もっと先を見ていた。この当時、「破竹の勢い」と称されるほど、顧客数を増やしていたネット証券と手を組むことにしたのだ。実は直販チャネルを開設したのは、この布石でもあった。
「私たちよりもはるかにお客さまに近い販売会社、とりわけネット証券さんのお力を借りることが不可欠だろうと思っていました。私たちが力を合わせてこの国の資産運用市場をより活性化していくために」
自分たちも独自のネットチャネルを持っていれば、いずれネット証券と手を組むとき、何らかのシナジー効果を引き起こせるのではないか。宗正さんにはそうした狙いがあったのだ。
そしてネット証券での販売を始めたのは、直販チャネルを開設した半年後の2015年9月。スタート時の大手ネット証券1社から、現在、ほとんどのネット証券でDCファンドを販売している。
大きな反響を呼び、新規口座獲得の記録を樹立
ネット証券会社が同社ファンドを販売開始した途端、大きな反響を巻き起こした。宗正さんは当時をこう話す。
「なんでも新規口座獲得の記録を樹立したそうです。購入手数料が無料で信託報酬も当時の最低水準だったこと、加えてDC向けファンドとして確かな実績があったことが評価されたのだと思います」
その後、他のネット証券も扱うようになるとさらに人気が上昇。今やこの「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」だけでも純資産残高は700億円を超える。
「これらのファンドは個人投資家の皆様から『DCファンドシリーズ』と呼ばれています。私たちがそう名づけたわけではないのですが、いつしかその呼び名が定着しました。それだけ皆様に親しまれているわけで、我々としてはとてもうれしく思っています」
個人投資家との接点をより多く!ラジオパーソナリティーもこなし、セミナーやイベントを定期開催
ところで、普段投資セミナーに参加したり、投資関連のウェブサイトをよくのぞく人は宗正さんをすでにご存じかもしれない。実は宗正さんは、投資信託業界では知らない人がいないと噂されるほどの有名人でもある。
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三井住友アセットマネジメントに入社後、マーケットレボートを「毎日」発信していた宗正さん。このレポートが評判を呼び、ラジオやテレビなどのメディアから声がかかるようになった。ここでのトークセンスが見込まれて、ついには全国ネットのラジオ番組に出演。今では人気ラジオパーソナリティーの顔も持つ。番組ではマーケットや経済解説にとどまらず、曲紹介やリスナーのお悩み相談にも答える、世相を斬るなど、幅広く対応する。
「私が直販事業を手掛けた当時に比べると、日本人の投資に対する意識はずいぶん変わりました。しかし、まだまだ投資には抵抗があるという人も少なくありません。私がテレビやラジオで投資の魅力などを話すことで、そんな現状を少しでも変えていければと思っています」
現在もトークショーや対談、講演やメディア出演など多方面で活躍中だが、一方、オンラインマーケティング部長としてセミナーやイベントの企画・運営にも注力する。
「これはオンラインビジネス全般に言えることでしょうが、最良のコンテンツを効率良く発信することが重要です。ですから、私はブランディングやマーケティング戦略の面から、予定調和ではない、ライブ感満載のコンテンツ制作の場として、リアルなセミナーやイベントを重要視しています。実際、そうした場でのお客さまとの対話は非常に貴重です」
ちなみに最近は自社単独で主催するのでなく、ネット証券など販売会社と共同で開催することが多いという。
「私たちが直販を始めたといっても、世の中の投信販売の主体はやはりネット証券さんですから、桁違いにお客さまとの接点を持つネット証券さんのことをよく知ってもらいたいんです。これからもネット証券さんを盛り上げるような試みに取り組んでいきたいですね」
今回、「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」が最優秀ファンド賞を受賞したのは、同社がネット販売を始めたころから積み立てを続けている人が「安心して資産を預けられる」と投票した結果だろう。加えて、定期的にリアルセミナーやリアルイベントを実施するなど、常に顧客に目をやり、コミュニケーションを重視してきた結果ともいえるかもしれない。
今年4月、三井住友アセットマネジメントと大和住銀投資顧問が合併して「三井住友DSアセットマネジメント」となった同社。変化や変革を恐れない同社から、しばらくは目が離せないことになりそうだ。
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