大阪についてのうんちく話

 余談となりますが、今回開催される大阪についての豆知識を一つ、二つお話したいと思います。「関西地盤沈下」などという言葉を耳にしますが、大阪は国際的な位置付けで見ると、かなり健闘している都市ということが分かります。

例えば、

1:大阪は都市別GDPで健闘

 日本経済研究センターによると、日本と米国、アジアの13カ国・地域の主要77都市の都市別GDP(域内総生産)のベスト10は、2015年時点で、1位:ニューヨーク、2位:東京、3位:ロサンゼルス、4位:大阪、5位:シカゴと、ベスト10の中で第4位に入っています。

 ただし、2030年の予測では中国勢の躍進によって、5位:北京、6位:上海など中国4都市がベスト10に入り、米国では1位:ニューヨーク、3位:ロサンゼルスなど8都市から5都市に後退。日本では、2位:東京と2位を維持しましたが、大阪はベスト10から後退する予測となっています。大阪万博などもあることから奮闘を期待したいところです)。 

2:大阪はオフィスビルの賃料上昇率が最大

 日本不動産研究所がまとめた世界主要都市の不動産調査によると、オフィスビル賃料の上昇率はアジアや欧米14都市の中で大阪が最大。2018年10月比の2019年4月時点の賃料上昇率は、1位:大阪(4.2%)、2位:バンコク(2.9%)、3位:シンガポール(2.8%)、4位:香港(2.1%)。以降、8位:東京(0.4%)、10位:上海(0.1%)、11位:ニューヨーク(0.0%)、12位:ロンドン(▲0.4%)と、大阪が人気のシンガポール、香港を抜いて、堂々の第1位です。大規模物件の開業が少ないことから、需要がひっ迫したことが背景のようです。

 大阪は賃料だけでなく、ビル価格の上昇率でも7.4%と第1位だそうです。ビル価格の下落率ではロンドンの▲2.4%が最大。EU(欧州連合)からの離脱問題が続き、投資家が様子見の姿勢を強めているとのことです。

3:旅行消費に占める訪日外国人客の割合は堂々の1位

 観光庁の2019年版観光白書によると、日本人も含めた旅行消費に占める訪日外国人客の割合は、上位15都道府県の中で、1位:大阪(46.2%)、2位:東京(44.8%)、3位:京都(29.2%)と、第1位となっています。大阪への旅行客のほぼ2人に1人が外国人ということのようです。

4:大阪は世界で最も住みやすい都市ランキングで3位

 英国エコノミスト誌が発表した「世界で最も住みやすい都市ランキング2018」で、大阪はトップ10のうち、3位に選定されました。1位:ウィーン、2位:メルボルン、3位:大阪で、東京は7位。大阪については、公共交通機関の品質や利便性が向上した他、犯罪率の低下が順位の上昇につながったとのことです。

 G20をきっかけに大阪を国際的な観点から見ると、違った側面が見えてくるかもしれません。