3.業績の2桁成長が続く見通し

 マイクロソフトが4月24日に発表した2019年6月期3Q累計業績は、売上高が15%増、営業利益が24%増となり市場予想を上回りました。業績をけん引したのはAzureを含むインテリジェントクラウド事業ですが、生産性およびビジネスプロセス関連事業、パーソナルコンピューティング事業もそれぞれ拡大しています。

 生産性およびビジネスプロセス関連事業は、前年同期比15%増収、26%営業増益。同事業では「Office 365」「SharePoint」「Microsoft Teams」などを展開しています。足元の3Qではサブスクリプション型のオフィスツール「Office 365」が、利用台数の拡大と単価上昇により前年同期比30%増収と好調に推移しました。単価上昇には、セキュリティー機能を強化したバージョンへのユーザーのシフトが寄与しています。その他、CRM(顧客関係管理)機能を提供する「Dynamics 365」が3Qは43%増収、ビジネス向けSNSの「LinkedIn(リンクトイン)」が27%増収と堅調に推移しています。

 パーソナルコンピューティング事業は、前年同期比9%増収、22%増収。同事業ではOSのWindowsやゲームの「Xbox」などを展開しています。3Qはゲーム関連の売上高が5%増収と物足りないものになりましたが、パソコン市場が堅調だったことを背景に、ビジネス向けのWindows OEMや一般向けのWindows関連サービスが2桁増収となりました。

マイクロソフトの2019年6月期3Q累計業績

単位:百万ドル
出所:会社資料より楽天証券作成

 3Qまでの好調な実績を受け、2019年6月期業績は13%増収、19%営業増益が見込まれています(日本時間2019年6月25日時点)。

マイクロソフトの連結業績推移

単位:百万ドル
出所:会社資料およびブルームバーグより楽天証券作成
注1:市場予想および調整後EPSはブルームバーグより取得(日本時間2019年6月25日に取得)
注2:2017年6月期、2018年6月期のPERは実績値(株価は各期末日の終値)、2019年6月期以降は予想PER(株価は2019年6月24日終値137.78ドル)

マイクロソフトの株価推移

単位:ドル
出所:楽天証券ウェブサイトより作成(日本時間2019年6月25日に取得)

 業績の拡大期待を背景に同社の株価は上昇しており、史上最高値の更新中です。今後もAzureをはじめとした企業向けのサービスを軸に業績は拡大する可能性が高く、株価は続伸するとみています。