2.マイクロソフト「Azure」の高成長
主要パブリッククラウドサービスと提供企業名は以下の通りです。
2018年推定マーケットシェア(クラウドインフラストラクチャ)
- 1位 AWS/アマゾン・ドット・コム(AMZN)…推定規模254億ドル(1ドル=108円換算で2.7兆円)
- 2位 Azure/マイクロソフト(MSFT)…同135億ドル(同1.5兆円)
- 3位 Google Cloud/アルファベット(GOOGL)…同6.8億ドル(同734億円)
- 4位 Alibaba Cloud/アリババ(BABA)…同3.2億ドル(同346億円)
- 5位 IBM Cloud/IBM(IBM)…同3.1億ドル(同335億円)
この業界のシェアは、この分野の老舗と言えるアマゾンのAWSがトップです。しかし、RightScale社のレポートではAWSの利用率に伸び悩みの傾向が見られ、マイクロソフトのAzureの利用率が7ポイント拡大しています(出所:RightScale State of the Cloud Report 2019 from Flexera)。
パブリッククラウドの利用率推移
調査対象786社が「使用している」と答えた割合
マイクロソフトのAzureの増収率を確認すると、現在も7割を超えて速いスピードで売上高が拡大していることが分かります。
Azure売上高増収率の推移
- 2018年7-9月期…76%増(前年同期比)
- 2018年10-12期…76%増(前年同期比)
- 2019年1-3月期…73%増(前年同期比)
マイクロソフトのAzureが企業に受け入れられているのは、Azureがさまざまなシステムとのシームレスな統合を図っているためと考えられます。Azureでは同社が展開する他のサービス、例えば「Office 365」との連携がスムーズに行えます。また、オンプレミス(自社運用のハードウェア)のデータや作業をAzureと連動させることもできます。
オンプレミスや企業独自のプライベートクラウドとの親和性は、パブリッククラウドを導入・活用してもらうために重要です。スタートアップであれば別ですが、歴史ある企業の場合、既に独自のシステムが長年にわたって構築されているためです。