外国人投資家やプロ投資家は、その株を「割安」と思っていない

 コラムをご覧の個人投資家の皆さんにお伝えしたい方法の一つが、「別の投資家の立場から考えてみるクセをつける」ということです。

 株価が値下がりを続けPERが低下してくると、個人投資家はその株が「割安になった」と喜んで買うことでしょう。

 その一方で、PERがそこまで低くなっているのにもかかわらず、現にその株は売られ続けているという事実にお気付きでしょうか?

 株価を大きく下げるほど大量の売りを出せる投資家は、外国人投資家や機関投資家(例えば投資信託を運用しているファンドマネージャー)である傾向が多く見られます。

 ということは、個人投資家がPERなどから判断して「割安」と感じている時に、一方では、株式投資に長け、銘柄分析の能力・精度が格段に高い外国人投資家や機関投資家はその株を「割高」だと判断しているのです。

 もし、彼らが個人投資家と同様に、株価が大きく下がりPERも低下している株を割安と感じているなら、その株を売却することはないはずです。
 ですが現実にPERがかなり低くなっているのに株価が下がり続けているということは、彼らが決してその株に対して割安という評価を下してはいないということになります。